「インフレ高進の欧米とは別世界、日本企業はなぜ価格転嫁できなくなったのか?」
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https://diamond.jp/articles/-/289172
冒頭引用:「米国の10月の消費者物価上昇率(食料とエネルギーを含む総合)は+6.2%(前年同月比)となった。欧州でもユーロ圏の同物価上昇率は+4.1%である。それに対して日本の消費者物価上昇率は+0.1%にとどまり、依然として日本だけ低インフレが問題となっている。
米国のインフレ高進については、前回の「米国がスタグフレーションになるって本当ですか」(2021年11月11日掲載)で取り上げた通り、筆者は来年第3~第4四半期までには鎮静化すると判断しているが、欧米諸国でインフレ高進が問題となる状況下で、ひとり日本のみが低インフレにとどまっている特異な状況を今回改めて考えてみよう。」
図表1
図表2
「米国がスタグフレーションになるって本当ですか?」
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https://diamond.jp/articles/-/286854
冒頭引用:「米連邦準備理事会(FRB)の量的金融緩和が今月11月から段階的に縮小されること(テーパリング)が決まった。詳細はメディアの報道記事に譲るが、見込みでは来年6月にはFRBによる債券類の新規購入がゼロとなり、同年後半には短期政策金利の引き上げが見込まれる。
ただ、景況面ではインフレ率が上振れる一方で、景気動向に一部鈍化の兆しも現れ、物価高と景気低迷が同時進行するスタグフレーションの可能性を語る声も聞かれる。
景気後退が起こらずとも、インフレ率の上振れが予想以上に持続した場合、超金融緩和の終了から金利引き上げに移行する来年にかけて、債券市場の利回り上昇(価格下落)が予想以上に大きくなるリスクを懸念する声もある。その時には大幅な債券安・株安の激震に見舞われることもあり得よう。今回はこうしたリスクについて考えてみよう・・・」
日本株対象のアクティブ投信の平均成績がインデックス投資を上回っているという嘘について
さて、先日facebookで取り上げた篠原滋氏(元野村証券G)の日本株投信については、過去3年~5年、アクティブファンドの運用平均がインデックスファンドの成績を上回っているという指摘について、「それはおかしいでしょ」という批判をしておこうか。
1、リスク調整後のリターン比較でないと意味がない。
アカデミズムでの金融・投資研究も含めて、投資の成績は単純なリターンの相違ではなく、リスク対比でのリターンで行うことが常識だ。先物を使うか、借り入れを使うか、手段はともかく金融レバレッジを上げればリスクの上昇を代償にリターンは簡単に上がるからね。この方はその点を承知のはずなのに無視している。
リスク対比でのリターンは一般に「シャープレシオ=(投資リターン-無リスク資産リターン)/リスク」で計算される。リスクは投資資産のリターンの変動性の標準偏差を計算し、リターン同様に年率換算するのが一般的だ。以下、日本では無リスク資産リターンとしての短期国債利回りは長年ゼロ近辺なので、ゼロとして計算した。
図表1は、Morningstarのサイトからとった国内株式対象の投資信託のインデックスファンドと非インデックスファンドの過去3年間のリターン、リスク、シャープレシオだ。リターンでもシャープレシオでもインデックスが上回っているのがわかる。
2、購入時手数料、反映していないよ。
同氏は保有期間に比例してかかる信託報酬差し引き後のリターンで比較しているが、当然ながら購入時手数料もネットリターンの違いをもたらす。ただし近年は同じ投信でも販売窓口の違いで購入時手数料が違うから、単純な比較が難しい。しかしアクティブ型投信(非インデックス)の購入時手数料は概ね2~3%(平均2.5%前後?)、インデックスは0.5%(?)以下程度が普通だろう。
したがって、5年保有するとすると、販売時手数料の相違は平均で0.4%(=2.0%/5)、3年保有なら0.67%(=2.0%/3)ほどアクティブ投信のリターンをさらに相対的に押し下げる。
3、TOPIX連動だけが日本株のインデックス投資ではないよ。
同氏のデータでは、シャープレシオではなく、単純なリターンのみの比較でも過去3、5年インデックスが負けている結果が提示されていたが、その理由は、インデックス投信としてTOPIX連動型のみを抽出したからだ。(図表2)
過去3年ほど、TOPIXに比較して日経225のリターンが顕著に上回っており、同氏は日経225を除くことで「インデックスファンドの負け」を演出しているのだ。
全上場銘柄の加重平均値で計算されるTOPIXのロジカルな明瞭さに比べると単純平均法でありながら、やや複雑な調整法を採っているのが日経株価指数ではあるが、日本株を代表するインデックスとして外されるのは公平ではないだろう。
日本ではTOPIX連動と並んで日経225連動がインデックス投信として大きなシェアーを締めている。これを除外するするのは「インデックス自体との比較ではなく、実際のインデックスファンドと比べてみる必要がある」という同氏自身の主張に反するであろう。
4、小型株優位のアノマリー?
また日経新聞の田村さんから「小型株優位の効果で非インデックスのリターンが上回っているのでは?」と言う趣旨のコメントがあった。私も日本の2000年代以降の長期で見ると、小型株優位のアノマリーが存在しているのは承知していたのでそうかと思ったが、過去3年で計算すると、非インデックス投信のリターンに小型株優位は消えている。(図表3)
5、検証期間が短すぎる。
この種の投資パフォーマンス比較は、アカデミズムも含めて米国では遥かに沢山行われているが、十分に長期の成績を見る必要があり、最低でも10年かそれ以上の比較が常識的だ。同氏の3~5年の期間は妥当な比較をする期間としては短すぎる。
6、生存バイアス?
今存在する非インデックスファンドの成績には、成績不振で途中で消えたファンドの成績は反映されていないという「生存バイアス」で押し上げられているというコメントもあった。まことにごもっともなのだが、現在開示されているデータでこの点を補正することはできないので、今回は検証外とせざるをえない。3年程度の短期では、このバイアスはあまり強くないだろう。
結論
というわけで同氏の「インデックス相手にアクティブファンドは負けていないor 優っている」という主張は公平、妥当性に欠ける。やはり「高い手数料のアクティブ投信を買わせたい」という業界利害のバイアスが背後に隠れていると感じざるを得ないな。
問題の篠原滋氏のコラム (←クリック)
「自民党総裁選で考える、アベノミクスの実績と限界を超える候補は誰か」
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冒頭引用:「自民党総裁選に4名の候補が出そろい、9月29日の投開票日に向けて政策提示や論戦が展開されている。一方、立憲民主党は「アベノミクス検証委員会」を立ち上げ、批判的な検証結果を総選挙に向けたキャンペーンに利用しようとしているようだ。