西田文郎という方が雑誌プレジデントの論考、「かもの法則」(以下サイト)で良いことを言っている。心理学的にはある意味で常識的なことだろうが、こういう実践家に言われると深く納得できる。
 
ちょいと引用しよう。
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 「リストラされるかも」「給料が減るかも」……不況の中、そんな不吉な予感が頭をかすめる、という人も多いのではないでしょうか。
 こうした否定的な「かも」に囚われると、人はどんどん悲観的になってしまいます。そして、自分の仕事がうまくいかないことを、自分以外の誰かや環境のせいにしてしまう。「小泉改革のせいだ」「無能な上司のせいだ」などと責任を転嫁して、自分を守ろうとするのです。

 その一方で、「こういうときこそ、自分が活躍できるチャンスかも」と、悪条件を肯定的に捉えようとする人もいます。
 そういう人は、「ダメかも」「うまくいかないかも」ではなく、「成功するかも」「できるかも」という肯定的な「かも」によって自分をコントロールして、幸せをつかむ。 要するに、「かも」の違いで未来は変わるということ。それを私は、「かもの法則」と名付けています。
 人間は、自分の将来について「肯定的な錯覚をしている人」「否定的な錯覚をしている人」に二分されます。肯定的な錯覚をする人は、言うまでもなく、肯定的な「かも」で発想するタイプです。
 
長年にわたって、経営者やビジネスマンの能力開発に携わってきた経験から言うと、一代で上場企業をつくったような成功者は、ほぼ例外なく肯定的な錯覚をしています。 常識的に考えれば無理だと思うようなことも、「俺ならできる」と思い込んで、本当に実現してしまう。失敗を失敗と思わない。
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全くその通りだ。自分自身の経験を振り返っても、上手く行った時には「いけそう!」「上手くいくかも!」とポジティブ・カモに駆られて、あるいは引かれて活動している。
そういう時は少々失敗しても、これでダメだとは感じない。「次回はうまくいくかも」という気持ちで心に張りがある。
ポジティブ・カモにスイッチできるか、ネガティブ・カモに心を支配されるか、これで成功不成功の8割は決まったようなものかもしれない。
どうせこの世は不確実なのだから、成功も失敗も確かなことはない。ならばいつも「うまくいけるかも」とポジティブ・カモでやり続けよう。坂本龍馬も超巨大なポジティブ・カモで走り続けた人物だったということだな。