たけなかまさはるブログ

Yahooブログから2019年8月に引っ越しました。

私はエコノミストの視点で民主党の財政再建&消費税率引き上げへの論戦転換を論じたが(「そっくりマニフェストは悪くない」)、政治ジャーナリストの視点ではこのForesightsの記事「消費税上げ便乗の目算」が的を得ていると思う。
 
以下、引用する。
「民主党はあらゆる政策を遂行するにあたって、つねに他党から「財源はどうするのか」と追及されてきた。このため、いつかは消費税の問題に触れなければならないことは分かっていた。だが、言い出せなかった。そんなとき、自民党が消費税率10%を掲げた。ここが勝負どころと判断した菅首相は、自民党の提案に便乗するという大きな賭けに出たのだ。
 
 マニフェストには税率引き上げに関する具体的な数字が書いてないところをみると、菅首相にとって、あの記者会見での10%発言は、あらかじめ用意しておいたものではなかったのだろう。自民党の同日の発表内容を知って、急遽、飛び乗ったのだ。
 しかも、自民党と歩調を合わせることによって、増税を嫌う国民からの批判を浴びるリスクを減らせると考えたに違いない。このあたりの判断能力は小政党を渡り歩きながら生き延びてきた菅首相の動物的な感覚のなせる技なのかもしれない。
 
菅首相は今回、慎重の上にも慎重を期し、幾重にもリスク回避の方策を整えながら、そろりそろりと消費税問題に動き始めたというのが実相だ。そこに透けて見えたのは、前任者の鳩山氏とは対極にある菅首相のしたたかで用心深い政治手法なのである。」
 
書いた記者の名前がないが、なかなかの洞察力だと思う。
やはり政治化には高邁なビジョンと同時に、したたかさと用心深さが不可欠の資質でしょ。そういう意味では「理念無き権謀術数」の小沢氏と、「したたかさと戦略眼を欠いた」ハトポッポ首相は、補完的な関係だったのだろう。
しかし結局、その「二重権力」は調子が噛み合わなくなって崩壊した。
 
正論を言えば、菅首相はその「小鳩政権」をきちんと総括すべきなのだが、正論だけでは通用しないのが政治の現実だろう。
菅&仙石政権は私には残された希望に見える。
 

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