本日発表された日銀の追加金融緩和策:
「日銀は追加の金融緩和策を決めた。資金を年0.1%の政策金利で貸し出す新型の「固定金利オペ」について、現行の貸付期間3カ月に加え、より長めの期間6カ月を新設。供給額を現行の20兆円から30兆円に上積みする」(8月30日日経新聞夕刊)
 
こんなもので追加の金融緩和効果はほとんどないことは、日銀自身が一番よく判っているはず。
「なんで日本だけデフレなの?」シリーズで書いたとおり、日本が陥っているゼロ金利のデフレ均衡点では、金利政策は効果を失っている。 米国のセントルイス連銀のブラード総裁が言っている通り、国債などの買い切り増額による量的な金融緩和策の拡大、つまりマネタイゼーションしか効果が期待できるものはない。
 
日銀が自らを勝手に縛っている「国債購入額を発行日銀券の残高を上限とする」という条件を捨てて、「とりあえず、あと100兆円ほど買い増してみようか」と言えば、デフレ期待の解消(=インフレ期待)と円安効果は抜群のはず。なぜそれをしないのか?
 
仕事をしているふりをして、組織上の利害として一番やりたくないことを避ける典型的な「役人仕事」に思える。
このままでは、本日(8月30日)の株高、円安への戻りは一時で、すぐに円高、株安の圧力は戻ってくるだろう・・・。
 
円高デフレスパイラル阻止のために、80円割れ阻止の外為市場での円売り・ドル買い介入を政府ができるか?(外為介入は財務大臣の権限です。日銀は手足に過ぎない。)
しかし、米国政府もユーロ諸国政府も決して口にすることはないが、今は自国通貨下落による輸出拡大による景気底支えを期待している。その中で日本政府の単独円売り介入ができるかどうか、微妙・・・・。
 
日本政府が介入もできなければ、最後はFXユーザー「ミセスワタナベ層」による「円売りナンピン介入」しかない・・・。
FX証拠金の残高は総額6000億円ほど、まだ使われていない部分が2000億円ほどあると仮定すると、レバレッジ20倍として4兆円ほどはナンピンの円売り余力があるかもしれない。