先日「FOMCのQE2効果を期待した株買い、債券買い、ドル売り持ち高が積み上がっており、政策が発表された後の短期的な動きは持ち高の巻き戻しによる株売り、債券売り、ドル買い戻しということで私を含む3名の意見がそろってしまった。まあ、相場材料は何事も先取りしてポジションを備える米国の金融市場では一般的な現象ですが、どの程度の巻き戻しになるかは、やはり不確実で分かりません」
と書いたが、QE2発表後のポジション巻き戻しの動きは思いのほか微弱だった。
 
 ドル円では80円台から81円台にちょびっと戻ったが、また直に80円台になった。10年物米国債もわずかに利回りが上がったが(価格が下がったが)軽微だった。そして株は大きく値を上げた。来年6月までの追加での国債購入規模が6000億ドルと直前の予想範囲の中では、大きい額だったこともあるだろう。
 
 これだから短期の相場の振れは分かりませんね。もっとも私は短期的な読みで資産ポジションは変えないので、この間は何もしていない。ただ、株式の上昇はやはり嬉しい。
(^^)v 絵にすると、このくらい嬉しい。
 
 問題はこの「金融緩和押し上げ相場」が、生産と消費の拡大を伴う実体経済の回復基調強化につながるかどうか。 その点では、エコノミストは悲観派と楽観派に分かれるが、私は、「はしゃがない程度の楽観派」だ。 
 
 オバマとデモクラットが中間選挙で負けたことなんか、どうでもいい。2012年までに失業率がはっきりと下がるほど経済が回復すれば、オバマ再選の可能性も十分にある。 今夜発表された非農業部門雇用者数は予想を上回る151,000人の増加。ほ~改善しているじゃないか。
 
 ただし中期的には、米国のQEの持続→新興国のバブルのプロセスがますます強まると確信度は高まるばかり。 中国ではにんにくまで投機が横行しているとNHKニュースが報じていた。にんにくで投機している業者のおやじさんがTVインタビューで「まだまだ、上がるで~、まだ売らんぞ!」と息まいていた。でもにんにくって低温で保存しても数カ月もしたら鮮度落ちるでしょ。 際い商売だなあ。
ともあれ、インフレと商品投機が問題になった1970年代を彷彿させるような話だね。