今日(6月25日)の日本経済新聞の記事
以前から中国政府が日本国債を買っていると観測報道がなされていたが、データで裏付けられた。
 
「海外の中央銀行が保有する日本国債など円建て資産の合計が昨年末時点で約35兆円となり、1年前よりも24.6%(約7兆円)増えたことがわかった。最近4年で2倍以上の増加。海外中銀の円資産を管理する日銀が、日本経済新聞の情報開示請求を受けて、資料を一部開示した。海外中銀の円資産保有の大枠が明らかになったのは初めて。」
 
国別の残高は開示されていないが、1年間で増えた7兆円のほとんどは中国政府によるものと推測されている。ドル買い・中国元売り介入で生じたドルを、その後ユーロや円など自由な交換性のある通貨に分散しているわけだ。 
 
1年間で7兆円というのは、日本の年間の経常収支黒字の10数兆円に比べて需給的に十分大きい。ときどき勘違いされている方がいるが、為替相場の動向を左右するのは売買量ではなく、経済主体のネットの持高の変化である。この7兆円はネットの持高の変化として、まるごと需給インパクトになっている。
 
まず間違いなく、中国政府はユーロについてはもっと大きな金額で買っているはず。PIIGSの債務危機にもかかわらず、ユーロ相場を下支えしている要因になっていると思う。
 
中国元が自由に売買できるなら、日本政府も中国元を買ってやるのが良いだろうが、中国は非居住者の中国元購入を規制しているので、それができない。こういう非対称性は厄介な問題、もっとはっきり言うと一種の政策的な不公平と言えるかもしれない。