ワシントンDCでのエコノミスト会合から帰国しました。
会合での私のプレゼン資料をホームページに貼り付けました。ご参考まで
 
最初の日本経済のアウトルックはパッチワークに過ぎませんが、後半の日本の政府債務のファイナンスの問題と最後の主要国のひとり当たりのGDP水準と経済成長率の分布図は、今回のためのオリジナルの作業結果です。
 
特に最後のスライド21をご覧頂くと、ひとり当たりのGDP水準が高くなるほど、ひとり当たりの成長率が低下する強い傾向があるのが分かります。過去20年間は「日本の失われた20年」とか言っているけど、ひとり当たりの実質GDP成長率は日本0.8%、USA1.4%、ドイツ1.2%など似たり寄ったりの水準だ。
  
だから「このままだとオレ達も日本みたいになるとか、いや ならないぞとか、そういうJapanizationを巡る議論は、日本人の私は気に入らないんだけど、実は過去20年間、先進諸国はみな似たり寄ったりの成長コースを辿っているんだよ。いまさら日本化でもないでしょ」と言ってやりました。
そして 最後に
" I remember what Darth Vader told us: “This is your destiny. Join us.”  とダースベーダの低音を真似て言ったら、みごと爆笑(^^)
 
日本の政府債務の膨張が、家計貯蓄率の低下にもかかわらず、低利でファイナンスされ続けている構造とそのリスクについての部分にはフランスの女性エコノミストさんが強い関心を示してくれました。やはり政府債務問題は共通の懸念事項ですからね。
 
もうひとつは、公明党機関紙委員会発刊の「公明12月号」に寄稿したユーロ危機に関する論考、ホームページにアップしました。(ちなみに依頼があったので寄稿しただけであって、私は公明党の支持者ではないので、念のため)
 
ユーロは「このまま死ぬわけじゃないけど、完治する見込みも立たない病」というのが私の診立てです。小康すれば通院しながら普通の生活には戻れるが、完治はできない病気ってあるでしょ。
 
同じく寄稿されている中央大学の田中素香先生は「連邦化に向かうのが解決への道」とのことで、その点は同意できますが、それって果てしなく長いイバラの道じゃないでしょうか、と思います。