私の運用資産の半分は都心部のマンションであることは、以前も書いた通り。
 
もちろん銀行から金を借りて、1998年に始めたのが最初だ。2002年のピーク時には投資額1億円、うち7割借入というレバレッジ(レバレッジ比率2.3倍)だったが、2007年夏に米国でサブプライム危機が勃発したので、1998年に買った一番旧いマンション(六本木)を売りに出した。
 
このマンションが購入価格より高く売れた。2006年まで不動産に日本でもラッシュしていた外資系投資家は当時急速に引き始めていたが、国内の事業者や実需投資家の買いが強かったので、高く売れたんだな。
 
ローンは10年で短めに設定していたので、9年経過した時点で借入元本は極めて小さくなっていたので、売却でできたキャッシュで他のマンション2件のローンも返済してしまった。その時点で借金ゼロになった。
 
2009年に京都に単身赴任することになり、最初は賃貸マンションに住んだが、不況で民事再生法を申請したデベロッパーが京都の二条城前のグッド・ロケーションに在庫処分(前年完成未入居物件)の破格の安値で一棟丸ごと売りに出したので、「賃料よりも安い」と判断して、1戸買い、今住んでいる。この時は銀行を退職したので、退職金キャッシュがあったので、現金で買った。
 
2009年を底に中古マンション価格はやや回復基調となったが、家賃が下げ基調で、投資リターンは下げ基調、そのためマンション投資は2009年を最後に既存物件のみ維持の状態となった。
 
しかし債券利回りが内外超低空飛行で、株式も冴えない状態で、投資のパフォーマンスを上げるにはどうしたら良いか、ずっと考えて来た。 
 
以前説明したライフセツメント・ファンドは円ベース10%のリターンで走ってくれているが、既に2000万円つぎ込んでいるので、さらに買いますのもちょっと集中し過ぎで「漠然とした不安」がないわけじゃない。なにしろ、毎月運用報告書はもらっているけど、実際の運用の中身は自分自身では見えないからね。
 
そんなことを考えていたら、築6年の物件で(新中野駅徒歩5分)、月間賃料15万円、40平米のマンション物件がとびこんできた。 坪単価200万円を割れる価格だ。管理費・修繕費の経費差し引き後ベースでネット賃料は7.0%となる。賃料の設定も決して現状割高ではない。
 
さて、この物件を2300万円で買い、15百万円を借入れ(金利2.5%)、8百万円自己資金とすると、自己資金に対するリターンは投資スタート時でいくらになるか?
 
正解は15.4%
 
もちろん、長期で保有するので空室期間が多少は生じる。また返済が進むとレバレッジ比率が下がるので、返済完了時にはリターンは15.4%から7%まで下がる。だから15.4%はスタート時の最大リターンである。
 
う~ん、やはり株式不振の時は、インカム・リターンが頼り。しかしインカム・リターンを上げるためにはレバレッジ
が必要だね。 ということで、マンション・レバレッジ投資再開ということにした。ただいま複数銀行に借入れ金利を打診中、私の希望は当初5年間固定金利で2.5%以下、おそらく出てくる。
 
ところでこの物件、築浅物件なのに、なんで安く売りに出て来たか? 投資目的で新築で買った方が購入価格フルの借り入れで買い、しかも同様に複数物件に手を広げたために、空室時に借入れを返済できなくなり、銀行からの要請で「任意売却」ということになったので価格が安めなんだ。
 
マンション投資をする個人は増えたようだが、頭金も十分に用意せず、新築プレミアムの乗った価格で買っているような方は、絶対に成功しない。そういう賢くない(非合理的な)投資家が破綻して、安く売りに出てくることは、投資のチャンスでもある。
 
業者は既に購入し、それを私に転売するので、業者はもっと安く仕入れていることになる。交渉して4%ほど値引いてもらうことにしたが、それでもちゃんと業者は利幅を確保できている。こういう物件を仕入れてくること自体、手間暇とコストがかかるから、お気楽&片手間のエンド・ユーザーとしてはこの程度の価格で手を打つのが妥当だろうか。
 
マンション投資の秘訣については「なぜ人は市場に踊らされるのか」にも詳しく書いてありますので、ご関心のある方は、ご購読ください。
 
竹中正治HP