日本の人口動態と経済成長のテーマで単発の講義をする準備をしているときに見つけた人口動態に関するすぐれサイトをみつけた。facebookではすでに紹介したが、ブログでも紹介しておこう(以下)。
 
 
1950年から2010年までの過去データと現在と2050年までのシミュレーションが、人口構成グラフの変化で一望できる。これを学生に見せて説明しながら、自分自身「日本の少子高齢化プロセスはまだ6合目、クライマックスは2040年」という事実を再認識した。
 
たとえば、85歳以上人口は2010年では400万人だが、2040年には1000万人を超える。しかも自分自身が(現在55歳)そのひとりになるという事実に(当然のことなんだが)衝撃をうけた。
 
2040年の人口ピラミッドを1950年のそれに比べると完全に逆ピラミッド状態になっている。日本が直面している長期経済・社会・政治問題で、これ以上に重大な問題はないだろう。
 
老齢年金は、インフレで実質減額になるか、あるいは名目で削減されるか、どちらになるかわからないが、実質大幅減額は不可避と覚悟するのが、私と同世代前後かそれより若い世代の前提になるだろう。
 
問題は今からの制度改革で、負担と給付の21世紀の世代間格差(このままだと途方もなく拡大してゆく)をどこまで縮小できるか? じいさん、ばあさんの有権者人口は増え続けるから、医療も公的年金も給付削減の制度変更はますます政治的には難しくなる。
 
この制度改革を政争の材料にしている限り、改革は無理だろう。超党派で「年金・医療の制度改革を争点にしない」という合意の上に、改革案をつくって具体化する必要があるが、その合意ができそうにない。
 
そうすると、やはり最後の最後はインフレ、円安でしょうか??? 政治ができなければ、市場が暴力的に調整するってプロセスですね。「インフレと円安でいいじゃないか」と思う人もいるだろうが、大津波のような円安、インフレで大勢溺れるぞ。 私は溺れるひとりにはなりたくないので、さっさと高台に避難しますけどね。
 
竹中正治HP
最近facebookでの書き込みを活発化しております。本ブログのリピーターの方はfacebookでお友達リクエストをして頂ければ、つながります。