ロイター社コラムへの寄稿です。本日掲載されました。
「老いるアジアと老いた日本~人口動態の転換点で生じたバブル崩壊~」
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引用:
「日本は1990年代初頭に、この人口動態上の転換点を迎えた。それは成長率の長期的な下方屈折を意味するが、同時に資産バブルの崩壊が起きた。米国はこの転換点を2007―08年に越えた。その後の成長率は下方シフトしたものの、下のグラフで分かる通り、変化の速度は日本より緩やかだ。若い移民労働力の流入などが高齢化の速度を緩めているからである。興味深いことにやはり同時にバブル崩壊が起こった。
 
韓国はこの転換点を2010年前後に迎えた。そしてやはり成長低下とバブル崩壊現象が発生している。一方、中国がこの転換点を迎えるのは2015年前後だ。韓国も中国も、この人口動態の転換点を越えた後の高齢化の進行速度は日本と同じか、あるいはそれ以上に急である。
 
転換点を迎えると、趨勢的な成長率が低下すること自体は分かりやすい。しかし、バブルとその崩壊現象が転換点付近で起こることに、なんらかの必然性はあるのだろうか。循環的な景気後退と長期的な成長見込みの下方修正の波が重なった時に、それまでの高成長下での信用の膨張、金融レバレッジの拡大が一気に収縮に転じ、資産価格が急落するのだと仮説を立てることはできる。
 
この点について、日本同様にすでに転換点を過ぎた西欧諸国について見てみたが、サンプル数が少なすぎて、バブル現象との相関性は明確ではない。しかし、日本、アメリカ、そして韓国と似た現象が続いていることは不気味な暗示だ。」
 
竹中正治HP
http://masaharu-takenaka.jp/index.html (←ホームページ、リニューワルしました(^^)v)
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