「11月に「生保、株から国債にシフト、大丈夫か」の続き情報として本日12月23日の日経新聞の記事を記録のために掲載しておこう。
 
引用:
株を買えない生保 安全を優先、成長に足かせ 第4部 行政の死角(1)
2012/12/23ニュースソース 日本経済新聞 朝刊 
「最近5週間で、外国人は日本株を1兆1300億円買い越した。ところが、保険会社の1200億円を筆頭に日本勢は売り越した。
保有リスク2倍
 「本来生保が買う時期だろうと言われると、じくじたる思いがある」。日本生命保険社長の筒井義信は「規制のせいにしたくはないが、株式を持つこと自体がリスクと見られている」と語る。
 ソルベンシーマージン比率と呼ばれる生保の健全性指標。07年4月に金融庁が算出基準を厳格化する方針を打ち出したのが生保が株式売却を本格化するきっかけだった。株式のリスク量が従来の2倍に引き上げられ、同程度の比率を保つには株式を半減しなければならなくなった。直近の生保全体の株式保有額は約13兆円と、07年3月末の約32兆円の半分以下に減った。
 さらに、欧州連合(EU)は負債に時価会計を導入する「ソルベンシー2」と呼ぶ一段と厳しい規制導入を検討。日本の金融庁も、国際的な流れを踏まえて規制を見直すと表明している。 生保が株式圧縮を続けるのは、さらなる規制強化に備えざるを得ないからだ。」
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2008年のリーマンショック後の株価暴落は世界的だが、その後、米国株、欧州株などが回復する状況下、日本の株だけ回復が大幅に立ち遅れ、企業収益比ひどく割安な状況にあったことのひとつの要因が生保のソルベンシーマージン対策の株売りだったと考えて良いだろうか。
おそらく要因のひとつだが、それだけでは説明できまい。ソルベンシーマージン比率の変更は記事にも書かれている通り、日本だけでなく世界的な変化だからだ。にも関わらず、米国、また米国株よりは低い程度で欧州株も回復しているが、日本の株式の回復の遅れは突出していた。
問題は日本では生保以外に中長期のリスク資産の引き受け手が少ないことと関係しているかもしれない。 日本株回復大幅出遅れの考えられる要因を列挙すると以下の通り。
1、生保のソルベンシーマージン対策の株売り圧力
2、円高による日本製造業への悲観
3、デフレ基調の継続
4、2011年3月の大震災
以上の通りと考えると、1と4の影響は終了した。2と3の影響はとりあえず終わりつつあると考えるならば、来年2013年の日本株の回復は意外と力強いかもしれない、という予想が可能になる。
もっともその条件として、世界経済の回復継続、現在の日本のミニリセッションが文字通りミニ(短期)で終了することが前提になる。その可能性は低くない気がする。
りそな国有化を契機に海外投資家中心に日本株に対する姿勢がネガティブからポジティブに転換した2003年春過ぎから2005年にかけた株価回復の展開と類似した展開を期待したくなるが・・・・
というわけで、ちょっとワクワクしながら越年できるかな(^^)v
竹中正治HP
http://masaharu-takenaka.jp/index.html (←ホームページ、リニューワルしました(^^)v)
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