野口悠紀雄教授の「日本株は根拠なき熱狂」論
http://toyokeizai.net/articles/-/12895

さて、どうかな?・・・この方の議論。
「円安にもかかわらず輸出が伸びていない」というのが悲観的な見方の最大の根拠のようだが、今回の円安(過度な円高の修正)は昨年12月に始まったばかりだ。 

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為替相場の変動が貿易収支に影響を与えるまでに最短で数カ月、効果がフルに出るまでに1~2年程度の時間がかかる事実は、経済学者、エコノミストの常識だと思っていたが、野口教授に限ってはそうではないようだ。

今の株価回復が期待先行であることは議論の余地がない。ただし、株価が期待先行で動き始めるのは、毎度のことだ。エコノミストが統計で実体経済の変化を確認できる頃には、株価はたっぷり上がっている(あるいは下がっている)ものだ。

半年後か1年後に再び野口説を検証してみようか。

引用:「円安だから輸出産業の利益が増加」というメカニズムは、いまの日本では働いていない。・・・・したがって、3月期決算における製造業の利益は、11年に比べて増収になるのではなく、減収になる可能性が高い。

日本の株価は低下していなければならない。株価が上昇しているのは、単に短期的な売買益だけが目的の投機的なものであり、グリーンスパンが言った「根拠なき熱狂」(IrrationalExuberance)だと考えざるをえない。」
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追記:想像にすぎないが、野口教授は資産はすべて預貯金で持っている方かもしれない。そう考えると、この方がリフレ政策に大反対、大嫌いなのも合点がいくね。
また、2012年7-9月期までデータの出ている法人企業統計(財務省)によると、金融・保険を除く全産業の経常利益(2012年1月-9月)は前年同期比9%増加している。
 
追記その2(2月21日)本日の日経新聞記事、野口説と反対の情報として。
引用:「2013年12月期決算企業の連結経常利益は、前期に比べ16%増える見通しだ。グローバル展開する製造業を中心に、円安の効果に加えて、低迷していた欧州の販売が回復。北米やアジアでの販売も堅調に推移する。12月期決算企業の収益見通しは、3月期決算企業の来期予想の先行指標として注目されそうだ。
 3月期決算企業に比べ、3カ月早い12月期決算企業の収益見通しは、上場企業の約7割を占める3月期決算企業の先行指標といえる。4~5月に発表される3月期決算企業の14年3月期の収益見通しも増益基調となりそうだ。」
 
もっとも野口教授のこの点については以下のような予防線を張っている。
 引用:「3月期決算における製造業の利益は、11年に比べて増収になるのではなく、減収になる可能性が高い。円安になれば、そうでない場合に比べて輸出産業の利益が増えることは明らかだから、これまでの想定為替レートの下での利益見通しより現実の利益が増加することは明らかだ。しかし、それは、昨年に比べて今年の利益が増加するということではないのである。」
 
製造業の3月決算が全年度比でプラスになるか、どうかはまだわからないが。円安→増益の基調が続けば、いずれ2011年度の利益を越えるだろう。ことさら2013年3月の決算のみが前年度比で増えるか減るかにこだわる意味はない。
 
 
竹中正治HP
http://masaharu-takenaka.jp/index.html (←ホームページ、リニューワルしました(^^)v)
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