今月のトムソン・ロイター社コラムへの寄稿です。ただいま掲載されました。
コラムでは図表はひとつしか掲載できないので、補足図表を掲載しておきます。

「株安・円高の呪縛が解ける日」↓

冒頭引用:「日本株と円相場の関係について、昨年夏の中国ショック、あるいは今年6月の英国のEU離脱国民投票をめぐるBREXITショックなど、世界経済に暗雲が立ち込め、世界中の株価が急落する時に円高に動くことが続いた。これに釈然としない方々は少なくないはずだ。メディアは「相対的にリスクの低いと考えられている円が買われて円高になった」とほとんど意味のない市況解説を繰り返してきた。この相場現象を考えてみよう。その上で現在の「株安・円高、株高・円安」という相関関係(逆相関)が崩れる可能性についても考えてみよう・・・」

途中引用:「ただし1990年代から2004年までの期間で見ると、株安・円高、株高・円安という逆相関の関係は安定的ではなかった。19902004年の期間について、月次データを使ってドル円相場と日本の株価指数TOPIXの前月比の変化で相関関係(期間1年)を計測すると、逆相関(相関係数がマイナス)が計測できるのは全期間の33%に過ぎない。また絶対値で0から1までの変域をとる相関係数(値が1に近いほど関係性が高い)が0.5を超えている期間は全体のわずか7%で、関係性は総じて弱かった。
 現在まで見られる日本株と円相場の強い逆相関は実は2005年頃から始まった。2005年から167月までの期間について同様に計測すると、全期間の96%について逆相関となり、しかも相関係数がマイナス0.51.0の高い値を取る期間が全体の60%を占める。この経緯を振り返ってみよう」

上記の部分、日本株と円相場の逆相関の関係、以下の上段の図をご覧頂ければ、わかると思います。2005年から前月比で見ても、前年同月比で見ても、相関係数はほとんどマイナス域にシフトして、しかもマイナス1に近い高い逆相関となっています。

下段の図はロイター社コラムと同じものです。

こういう現象ってアカデミズムの世界ではほとんど関心が払われていません。ああ、そうか。次はこれをもっと深堀して、論文にしようかな。


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