今朝発表され日本の今年4-6月期の実質GDP成長率、 前期比年率で+4.0%、前年同期比+2.1%と高い数字が出た。内訳も良い感じだ。+4.0%の内訳である項目別寄与度は、民間最終消費+2.0%、民間企業設備投資+1.5%、公的固定資本形成+1.0%、純輸出-1.1%など。消費と設備投資の内需主導型成長である。上段の図

日本経済は長期的には失業ではなく、労働力不足が課題になるステージに移行しているのだと思う。ただし労働力不足と言っても、職業による過不足のばらつきは大きい。それは労働需給のミスマッチ問題でもある。その点を見るために職業別の有効求人倍率と就職件数(月間)(厚生労働省、ハローワーク・データ)の分布を示したのが下段の図である。

まず目につくのは一番左上に位置する「事務的職業」である(赤色)。就職件数で最大のボリュームゾーンであるが、有効求人倍率は0.4倍と最も低く、雇用需給は著しく余剰に傾斜している。

比較的大きなボリュームゾーンで有効求人倍率が2.0以上(水色)は、「専門的・技術的職業」、「サービスの職業」、「介護関係の職種」、「輸送・機械運転の職業」である(サービスの職業は介護、保健医療、飲食物調理、接客・給仕等からなり、近年追加された「介護関係職種」と重複する)。

また、民間の転職・求人仲介会社の求人倍率を見ると(DODA転職求人倍率レポート2017年7月)、業種別では「IT・通信系」が5.5倍と突出して高く、「サービス」2.8倍が次となっている。同データを職種別に見ると、「技術系(IT・通信)」6.9倍、「専門職」5.8倍と高く、「事務・アシスタント系」は0.22という低さだ。

こうした求人倍率の分布は、正に現代のイノベーションが引き起こしている雇用需給構造のシフトを如実に表している。すなわち、90年代から機械による代替が進んだ定型的な事務労働は依然大きなボリュームゾーンではあるが、完全に雇用需給が余剰基調である。一方、人手不足分野では、相対的に高付加価値の専門的・技術的職業と、対人的なサービスの職業(含む介護関係の職種)や輸送・機械運転の業務、並びに運転や建設など現場業務への分化が進行している。
 
さらに、リクルートワークス研究所のレポート「働くを再発明する時代がやってくる」(2015年)によると、企業内で事業に活用されていない社員である「雇用保蔵者」は2015年に401万人と推計されるそうだ。これは労働市場に出てきていない労働のミスマッチの存在だ。

今日、AI・ロボット化による労働の代替は、製造業から非製造業全般へ、とりわけ専門的・技術的分野と各種の対人サービス、運転、建設の分野に進もうとしている。こうしたイノベーションの波は、失業率が高い時には「雇用が失われる」とネガティブに受け止められ易いが、現下の人手不足の状況ならば「省力化・効率化」としてポジティブに受け止めることができる。むしろ、そのような変化への積極適応が経済全体で進まなければ、持続的な経済成長が不可能である局面に日本経済は至ったと言えるだろう。



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