たけなかまさはるブログ

Yahooブログから2019年8月に引っ越しました。

2012年09月

「自分の気分というものは思い通りにならない」と思っている人は多い。緊張してはいけないと思っても緊張して体がガチガチ、頭の中真っ白になったり、怒りや怨念に捕らわれてイライラすることもある。「勉強しなきゃ・・・」「朝、学校行かなきゃ・・・」と思いながら、身体がだるい、気持ちが重くて、アクションできない。そんな人はたくさんいる。
 
しかし、わかっている人はわかっているのだが、自分の気分は意識でコントロールすることができる。それをスキル(技)として身につけることもできるんだ。
 
例えば、気功は意識的な動作を繰り返すことで、自分の気を制御し、不随意な部分全体に意図した効果をもたらす技だ(実は私はある優れた師範について太極拳と気功を10年近くやっていたことがある。師範は解説的なことはほとんど言わなかったが、以下の気功に関する理解は、師範からのヒントと経験を通じて私が会得したものだ)。
 
気功には沈静系気功と活性系気功がある。
 
人は緊張が解かれてほっとすると「はあ~」と息を吐くだろ。逆に緊張している時は、呼吸は浅く速くなる。これはほとんど無意識な動作だが、面白いことに呼吸は無意識でもするし(でないと寝ているときに窒息死する)、意識的な動作としてもすることができる。 心臓の動きは全く不随意であるのとは異なる。
 
沈静系の気功は、これを逆手に利用して、ゆっくりと意識して呼吸し、特に息を吐く動作にポイントをおく。これを何回か繰り返していると、本当に気持ちがリラックスしてくる。
つまり、「緊張が解ける→無意識に息を吐く」 「意識してゆっくりと息を吐く→緊張が解ける」 これは双方向で働くんだ。実際にこれをするときは、ゆっくりとした意識的な身体動作も並行して、できるだけゆっくり息を吐く方ようにするのがポイントだ。
 
活性系の気功は、逆にリズミカルに四肢を振る動作が有効だ。人間は活性化、興奮すると、手を振ったり、足を踏み鳴らしたりするだろ。だから、逆に意識して手を振り、足をリズミカルに動かすと、気持ちと身体が活性化するんだ。 難しいことはない。私は朝の出勤時には鼻歌を歌いながら、手を前後に振り、地下鉄の駅をひとつ分歩くことにしている。それだけで活性化される。
 
最近facebookにはまって、これも気分を意識的に制御する手段に使えることがわかった。
1日にひとつか、ふたつ、ビジネスでもスポーツでもなんでもいいから、元気が出るようなポジティブな記事やニュースを見つけたら、facebookに掲載して、やはりポジティブなコメントを自分で書き込むんだ。
 
友達の掲載も、ポジティブな記事、明るく美しい画像・音楽などを見つけたら、「いいね」をクリックしよう。この「いいね」の相互連鎖が大切だ。 ネガティブな記事や情報はできるだけ避けよう。目障りだったら非表示にしてしまえば良い。
 
世の中には、困ったことにネガティブ・オーラをむんむんに発散させて、恨みや妬み、もって行き場のない不満をぶちまけている人たちがいる。2チャネルなんてのぞくと、そういうネガティブ・エネルギーがどろどろと渦をまいているだろう。そういうサイトは避けよう。facebookでそういう人達の掲示を見たらきるだけ無視する。非表示にしてしまえ。
 
そうやってポジティブな情報や、問題があっても建設的に考える、そういう姿勢の情報に対して「いいね」をクリックし合っているうちに、あなたのfacebookはポジティブな相互反応の電脳ネットワークになっていく。つまりポジティブな情報に意識を向けることで、気持ちもポジティブになっていくんだ。
 
これは「電脳気功」だな。
 
ポジティブとはどういうことかって?それは自分、他者、その関係を肯定できるということだ。別にお世辞を言ってほめ合うことじゃないよ。お世辞なんか、その背後にはネガティブな感情を隠した化粧のようなものだろ。
 
例えば、なでしこの活躍に興奮し、「ガンバレ~」と言っているうちに「自分もがんばろう!」って気持ちになるだろ。 ひとりで「ガンバレ~」っていうだけでなく、facebookで「いいね」をクリックし合いながら、みんなで「ガンバレ~」と言っているうちに、「おれ達もがんばろ~」という気持ちになるだろ。これがポジティブな相互連鎖だ。
 
逆にネガティブな相互連鎖は、たとえば「尖閣列島」の問題で「中国人のバカヤロー」とか「日本人のバカヤロー」って罵倒したり、冷笑したりする連鎖だ。一瞬、鬱憤が晴れるような気がするが、それを繰り返すうちにダークサイドのエネルギーに捕らわれてしまう。
 
秋葉原で無差別殺人をやった青年は、携帯電話のチャットでも自らはまったネガティブ・ネットワークの中で、ますます深くダークサイドに転落していった。
 
もちろん、世間の対立を引き起こす問題を考えることも大切だ。だからそういう時はできるだけ「冷静、理性的な情報」を発信しているサイトや掲載をみつけて「いいね」反応しよう。
 
人間にとって世界とは、自分と世界の関わりに他ならない。その関わり方をポジティブなものにするか、ネガティブなものにするか、それは何に意識を向けるかの選択、その積み重ね、習慣で決まってくる。要するに自分の世界を造るのは自分自身なんだ。
 
竹中正治HP
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ロイターに9月の寄稿をしました。本日掲載です。
 
「人民元国際化に政治の壁」
 
以下結論部分から引用します。
 
「ご承知の通り、中国では現在まで預金金利も貸出金利も当局によって規制・管理されている。現在、輸出や中国国内景気の失速によって中国系企業の利益は大きく減少しているが、国有銀行を中心とした銀行部門は規制された預金と貸出の利鞘のおかげで空前の高収益を上げている。中国の銀行部門の利益のほとんどは制度的に保護された利鞘(経済学では「エコノミック・レント」と呼ぶ)と言えよう。」
 
「そして、国有企業や地方政府は国有銀行から優先的な融資を受けることで、不動産事業などで莫大な収益を稼ぎ、国有銀行・国有企業・地方政府(その経営陣は党組織の官僚も兼ねている)に共通する強い既得権益構造ができあがっている。ところが、内外の資金移動を自由化すると、必然的に国内の規制金利体系は維持できなくなる。」
 
「失脚した薄煕来一族が巨額の資産を海外に移転していたように、この既得権益構造で莫大な富を稼いだ超富裕層は、自らは特権的な地位を利用してその資産を海外に移す一方で、もし対外投資を自由化すればもっと大規模に富裕層の資産が海外に移転し、制御できない事態になる危険性をよく承知している。」
 
「したがって、現実に起こりそうなシナリオとしては、人民元の国際化の前提条件となる内外資金の規制緩和は、それが引き起こす「都合の悪い」変化が見えてくれば、既得権益層の政治的な抵抗で頓挫させられるだろう。この既得権益層の利害に逆らって、経済・金融構造の変革(第二の革命)を成し遂げるような政治勢力は今の中国には見られない。」
 
「また、自由な市場機能にそもそも信頼を抱いておらず、官僚による指令主義的志向の強い中国政府は「管理された人民元国際化」を志向しているとも言われる。しかし、それは概念矛盾に他ならない。既述の通り、トリレンマの原理が示す選択肢は「管理されたローカル通貨」か「取引自由な国際通貨」しかあり得ないのだ。」
 
「あるいは、国内の規制金利を維持しながら、「人民元国際化=内外資金移動の規制緩和」という政策的に不整合な路線を志向してしまうかもしれない。政治的な理由で経済原理に反した制度・政策の大きな不整合を犯した場合、最終的には巨大なしっぺ返しを引き起こすことは、すでにアジア通貨危機を例に述べた。また、現下のユーロ圏のソブリン金融危機が見せつけてくれていることでもある。同種の過ちを中国が将来犯す危険性は、筆者は決して低くないと思っている。」
 
以上、コメントもロイターサイトに歓迎です。
 
追記:本件論考について先輩先生からコメントをEメールで頂いたので、ご了解の上、以下掲載しておきます。9月27日
917PBOCその他公表の中国「金融業改革と発展の第125カ年計画」は、実需原則とリスクコントロール可能性を前提に、人民元の国際的利用を推進すると謳っている。いわゆる「管理された国際化」の基本方針の確認である。この用語は「社会主義市場経済」と同様のOxymoron(「正直なうそつき」的な矛盾用語)であるものの、中国政府が真剣に取り組もうとしていることは間違いない。同時に竹中教授の指摘はもっともであり、人民元の国際化がいつトリレンマと既得権の壁にぶつかるか、その際中国政府がどう対応するのか、今後とも注視していきたい。」
(龍谷大学特任教授、京都大学名誉教授、村瀬哲司)」
 
追加情報(10月4日):中国の高級官僚の不正蓄財の海外持ち出しについて参考論考を添付しておこう。
 
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寄せられたご質問
QE3によって・・・
失業率は改善するのでしょうか
失業率改善の効果が薄ければ、改善するまで株価は高騰するのでしょうか。バブルになるのでしょうか。
QE3によって貿易赤字は改善するのでしょうか。
Qe3によって対外債務は減少するのでしょうか。
効果は不透明なのにインフレと投機による商品価格高騰で苦しい国民がいて、金融機関は助かっているなどと俗説ありますが、実際には効果はあり、副作用といわれるものは誇張されているのでしょうか
 
政策金利をゼロ近傍まで引き下げても、十分に雇用が伸びるほど景気が回復しない。その原因は概括的に言うと家計が資産価値の下落でバランスシート調整(消費抑制・貯蓄増加=債務返済)を強いられるから、バブル崩壊で期待成長率の低下に見合って企業が設備投資を抑制しているからだ。
 
そこで一般に量的金融緩和QEと呼ばれている金融政策が過去3フェーズ発動されてきた。マネーを供給するために何を買うか(国債か、MBSか、対象債券の期間構成をどうするか)、買う規模はどのくらいにするか、実施期間はどのくらいにするか、などバリエーションはあっても原理は同じだ。その効果については、バーナンキ議長が2010年にスピーチで説明している。以下サイト
 
また、私も上記スピーチを引用して、雑誌エコノミストで書いたことがある。以下はその部分の引用。
 
今回のQE3のインパクトはMBSを毎月400億ドル、雇用が満足する水準に回復するまで続けると言い切ったことだろう。その大胆さが投資家にインパクトを与えて株価が上がっているのだが、まずQEの効果がでる仕組みを確認しておこう。
 
上記雑誌エコノミスト201131日号掲載の論考の引用
*****
QE2の長期金利の引き下げ効果
 伝統的な金融政策では連邦準備銀行が誘導操作の対象にするのは銀行間短期金利としてのフェデラル・ファンド・レート(FFレート)であり、長期金利は直接の操作対象とならない。なぜならFFレートは短期マネーマーケットでの日々の資金需給に連銀が介入する(資金不足時はマネーを供給し、余剰時は吸い上げる)ことで、一定の水準に誘導できる。しかし数兆ドルもの発行残高があり、市場参加者の将来のインフレ期待にも依存する長期国債利回りは連銀が直接操作可能な対象とは通常は考えられないからだ。
 
しかし、QE2はその長期金利の引き下げ、あるいは低位安定を意図していることになる。それが効果を発揮する仕組みをバーナンキ議長は昨年8月の講演で「ポートフォリオ・バランス・チャンネル」として次のように説明した。
 
中央銀行が市場から国債を大規模に買い上げれば、民間のポートフォリオから国債が減り、現金が増える。すると民間の投資家は各種の社債の保有を増やすることでポートフォリオのリスクとリターンを元に戻す調整をしようとする。
 
この結果、社債の追加購入需要が生じ、民間債券の長期利回りを押し下げ、金利低下が経済全体に波及する。さらに投資家は相対的に金利の高い海外の金融資産の保有を増やそうとするだろう。その場合はドル売り・外貨買いにより、ドル相場を押し下げ、純輸出を拡大する効果も生じる。
 
QE2の資産価格押し上げ効果
QE2効果のもうひとつの側面は資産価格の押し上げ効果である。バーナンキ議長は昨年11月のQE2実施までは、株式などの資産価格の押し上げ効果について語ることには慎重だった。既述の昨年8月の講演における「ポートフォリオ・バランス・チャネル」の説明では、国債と民間債券の間でのシフトのみであり、株式や不動産資産が明示的に登場しなかった。
 
議長はFOMCの決定が発表された後、114日付のワシントン・ポスト紙の論説で、QE2の効果について株式などの資産価格の上昇効果も期待できるとようやく明示的に語った。株価の上昇が家計の資産価値を増加させると同時に景気の先行きに対する自信を改善することを通じて、個人消費を増加させると述べた2。おそらくQE2が株価を押し上げる効果があるかどうか、当初は確信がなかったのだろう。昨年の夏以降に株価の上昇トレンドが鮮明になるのを確認してようやくこの点について語り始めたように思える。
 
株価の上昇については市場参加者の「インフレ期待」に働きかける経路もあっただろう。QE2が将来のインフレ期待を高めるならば、インフレで名目価格の上昇が期待できる株や不動産など資産を増やそうとする投資家のポートフォリオ調整が働くからだ。
 
QE2は将来のインフレ高進の原因になる」と批判した論者の声は、皮肉なことに市場参加者の将来のインフレ期待を助長することにより、QE2の効果実現に一役かったのだ。また、デフレリスクからインフレリスクに転じる局面では、議長が繰り返し強調しているように連銀は伝統的な金融引締めで対応できるので、デフレリスクよりもよっぽど御しやすい。
************
 
もちろん、「今次のバブル崩壊後の景気回復が金融政策だけで順調に実現できる」なんてことはバーナンキ議長自身が否定している。財政政策も各種の規制改革も必要だ。ただしデフレになるリスクは回避された。これだけでも高く評価して良いだろう。1930年代にはデフレと資産価格の下落、実体経済の悪化が長期にわたって進行したが、そうした状況は回避できたということだ。
 
QEに失業率の改善効果はあるか?資産価値の下落負の資産効果消費減というプロセスを逆転できれば、当然ながら実体経済に正の資産効果を通じてプラスの効果が生じるので雇用回復効果もある。
ただし、米国の景気動向は国内の条件のみでなく、米国外の世界経済の動向にも依存している。欧州景気後退の一層の深刻化、中国をはじめエマージング諸国の景気失速などが今後さらに進んでしまえば、米国内部でも失業率を低下させるに十分な景気回復が頓挫する可能性は当然ある。
 
QE3後、株価は上昇しているが、現在の水準は企業収益と比べて過大評価ではない。再びバブル的な高さまで行くかどうかは、わからない。そんなことが起こったら、手持ちの米株を売れば良いだけだ。
 
金融政策は国内問題(物価安定と雇用最大化)の手段であって、対外的な不均衡(貿易収支不均衡)のための政策手段としては位置づけられていない。しかし、これも以前に日経新聞の経済教室に書いた通り、実質金利の変化に短期・中期の為替相場は反応するので、結果的にドル安貿易赤字縮小という効果はあるだろう。これはバーナンキ議長も認めている。
 
米国の対外資産・負債、対外純負債については、米国政府は明示的な政策の対象にはしていない。大雑把に言えば、それは市場が決めることだと程度に考えているだろう。私もそれが短期・中期で削減しなければならないリスクだとはあまり考えていない。私の「ドル危機論者」に対する各種の著作ご参照。
 
むしろ政策的な対応を要する問題は財政赤字だ。短期・中期の時間軸では景気に配慮しつつ、つまり急激な財政赤字の削減を回避しつつ、長期的には財政均衡に向かうようなソフトランディングを志向しなければならない。累進税率を上げる(=富裕層への増税)も必要だろう。それが議会の政治的な対立もあり、難しいということだ。
 
QE3で一部の物価上昇が起こり、低所得者は困る? 今の米国のCPIは年率2%前後でインフレを心配する状態にはない。ガソリンやコーンなどが上がったりするのは、それぞれ固有の需給要因から生じる相対価格の変化の問題であり、インフレの問題ではない。従って金融政策でどうこうできる問題でもない。
 
仮に少々の今後のインフレの行き過ぎ(例えば3.04.0%程度)があったとしても、低所得者にとってデフレに陥って失業がまた増加するよりも、雇用が増えてインフレで実質所得が多少へこむ程度の方がましではなかろうか。Marさんのお好きな「ワークシェアリング」(=多少ひとり当たりの賃金所得を減らしても、雇用を増やす、あるいは維持する)と同じ様な結果になるしね。
 
銀行が儲けてずるい?ゼロ近傍の金利で資金を調達し、長期国債で運用することで、銀行には1%以上の利鞘が生じている。でもそれは今に限ったことではない。通常の景気状態の下では、短期金利と長期金利の間にプラスの利鞘があり、銀行は短期調達、長期運用で利鞘を稼いでいる。それは金利変動リスクを負うことで得られる利鞘に過ぎない。別にずるいことでも、やましいことでもない。
 
以上、こんなところで良いでしょうかね。
 
追記:2012年9月27日
QEの効果が働くのは債券、株式だけじゃなく、不動産、住宅も効果の対象になる。
以下最近の住宅市場の復調に関するWSJ記事
 
 
 
竹中正治HP
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昨年暮れに癌(食道)と診断され、療養していた先輩教授が無事に回復、復帰し、快気祝いの小宴を昨晩した。
 
私も55歳、年齢とともに癌リスクは高まる。せっかく資産形成に成功し、「さて悠々自適の老後を楽しむぞ」という矢先に「癌!手遅れ・・・」となったのではもともこうもない。癌リスクについて考えよう。
 
まずは信頼できる専門医のお話
中川恵一(東大医学部付属病院放射線科准教授)  「公研」2012年9月号から
「今はがんは不治の病ではありません。全体で6割、早期がんなら9割以上が完治します。」
だだし・・・・
「早期がんが症状ではわかりません。早期の肺がん、胃がん、肝臓がん、大腸がんも一切症状は出ません。つまり、がんによる症状が出た時は、少なくとも進行がん、場合によったら末期がんなのです。
ですから異変を感じてから病院に行くのではダメなんです。
症状がないうちに、1年に一回定期的に検診する。つまり、早期発見とは、がん検診の結果です。」
 
また喫煙が肺がんなどのリスクを高めることは常識だが、飲酒もがんリスクを高めることはあまり知られていないので、その点について、同教授のお話は以下の通り。
 
「私のような酒飲みは、放射線被ばく量(による発がんリスク)で換算すると、500から1000ミリシーベルトに相当します。タバコは2000ミリシーベルト以上です。タバコを吸いながら、原発事故の被曝が怖いなんていうのは、ちゃんちゃらおかしいということになります。」
 
ということだから、今後は喫煙している人を見たら、受動喫煙リスクにあなたは巻き込まれるわけですから、「放射能汚染物質をまき散らしているのと同じ!」という冷たく厳しい視線を向けることにしよう。
 
また飲酒によるがんリスクについては以下のサイトが詳しい。
引用:「WHO世界保健機関)の評価(2007年)では、飲酒は口腔・咽頭・喉頭・食道・肝臓・大腸と女性の乳房の癌の原因となります。また、アルコールそのものに発癌性があり、少量の飲酒で赤くなる体質の2型アルデヒド脱水素酵素の働きが弱い人では、アルコール代謝産物のアセトアルデヒドが食道癌の原因となるとも結論づけています。」
 
というわけで、がんリスクについて考え直し、大学の健康センターで専門医にアポをとってどこで、どういうがん検診を受ければ良いか、アドバイスを頂いた。
まず、年に一回行われている大学の健康診断ではがん検診項目は、ほとんどないことが分かった。
これは企業などでやっている定期健診でもほぼ同様のようだ。
つまり定期健診ではがんの早期発見はできない。
 
そこで今秋から紹介された以下のクリニックで、人間ドックの基本コース+各種がん検診(オプション)を行うことにして、さっそく予約を入れた。
 
こんなことをしているうちに、健康管理も資産形成も同じだと悟った。先を読み、信頼できる専門家の情報とアドバイスを得て、リスクに備える、ということだね。もちろんリスクを全部回避するのではない。酒のない生活なんて味気ないから、飲む(=リスクテイクによるリターン向上)、しかしリスク管理は怠らない(=定期的ながん検診)というわけだ。
 
みなさんもがんリスク考え、対処しよう!投資も健康管理も、バブル崩壊や病気に直面してから慌てるのが一番の失策だからね。
 
ちなみに、私が予約した検診メニューは以下の通り。左の基本コースに右側のがん検診オプションを、専門医のアドバイスでいくつか選んだ(全部する必要はない)。 
 
本日9月20日の日経新聞夕刊記事
 
 
竹中正治HP
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私が初めて高齢化によってボケる問題を自覚的に考えたのは、有吉佐和子の「恍惚の人」(1972年)を高校生の時に読んだ時だ。 当時この本は世間的にもかなり強いインパクトを与え、映画化もされた。私の高校でも担任の先生が「恍惚化」の問題を取り上げて議論したのを覚えている。
 
優れた小説というのは、その社会の運命を強いイメージでフラッシュさせる力があるのかもしれない。正確な数字は手元にないが、当時「老人性痴呆症」と呼ばれた数は数十万人だったはずだ。2012年の現在、自立した生活をする点で支障があるⅡ以上の認知症患者は305万人と推計される(以下、厚生労働省レポート参照)。
 
当時は「老人性痴呆症」と呼ばれた。その後、同種の症状が「認知症」と呼ばれるようになったのは、「痴呆症」ではあまりにイメージが悪いからだろうが、名称を変えても実態が変わるわけではない。
 
団塊の世代が65歳になり、今後認知症患者は400万人台に向かって増加する。65歳以上の10人に一人が認知症という事実は重いね。 
 
以前紹介した日本の人口動態の変化が将来予測も含めて一目でわかるサイトを以下に掲載しておこう。 日本の団塊の世代は1947-49年生まれであるが、彼らが65歳以上になる今から本格的な高齢化が始まるんだ。今までの高齢化は序の口だったということだね。
 
経済全体で考えると、ひとり認知症が増えれば、それを介護するために「他の生産的な労働」から現役労働力を移転させなくてはならない。これで経済が富むことがきるか? ひとつ対策として考えられるのことは、65歳の引退人口でも元気で働くことを希望する(あるいは必要とする)方々はいるわけだから、65歳以上が65歳以上の認知症患者を介護する「老-老」介護体制ではなかろうか。
 
若い世代は、認知症老人の介護という未来のない職ではなくて、理系でも文系でも良いから日本の将来を発展させる仕事に就いて欲しい。認知症の予防医学や改善薬の開発も国費を投じてする価値がありそうだね。
 
追記:
facebookで紹介された記事、認知症の親を介護した経験者のノウハウが参考になります。
 
 
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以前も書いたが、私は接戦ながらオバマ大統領の再選を予想しているが、その可能性が濃厚になってきたと感じている。
そう感じさせる事情を幾つか示しておこう。
 
1、選挙の世論調査は沢山行なわれているが、調査によってばらつきがあり、ひとつひとつ見ていたのでは撹乱されるばかりだ。以下のサイトは主要な世論調査を網羅して、その分布の平均的な状態を示してくれている。これを見ると8月下旬からオバマのロムニーに対する優位が広がっている。
 
2、ご承知の通り大統領選挙は州別の「選挙人数」の取り合いなので、2000年のブッシュvsゴアの時のように全米での得票数では僅差ながらゴアが勝っても、州別の取り合いの結果、ブッシュが勝ったというようなことが起こりる。
そこで焦点は接戦州の帰趨だ。それでも以下の記事の報じるようにオバマが一歩リードしているようだ。
Obama holds leads in three key states.
 
 
3,JETROのレポート(New American Policy Sept.13)は上記のような情勢を以下のようにまとめている。
「オバマ選挙本部の判断で2012年の選挙でロムニー共和党候補に対してオバマ大統領を有利にしているのは選挙人制度を基盤とする州別の趨勢で、要は次のようである。

オバマ大統領は2008年の選挙で獲得した州のうち、今年はどちらに動くか分からない11州があるが、そのうちフロリダ以外のいくつかの州で勝ちさえすれば、これら州の中で選挙人数が29人で最大のフロリダ州を失っても勝利となる。
逆に、ロムニー候補は仮にフロリダ州を獲得できなければ、残りの10州を全て獲得しなければ勝利が困難になる。」
 
大統領選挙の帰趨を決す最後の勝負は毎度TV討論だ。演説、討議の上手さは私はオバマがロムニーに対して一枚上手だと思っている。TV討論が最後の決め手になるだろう。
 
弊著「ラーメン屋vsマクドナルド」(新潮新書、2008年)に1章当てて書いたことだが、米国で保守派が大統領選挙で勝つ時は、国外の敵の脅威、減税、保守派の価値観(銃、中絶禁止、同性愛忌避)の保守3点セットで求心力が保守派に働くことが大切な条件になる。 
 
しかし今回はそうした情勢にない。ロムニーが価値観では保守と言うよりは中道に近いことも弱点になっている。国外に脅威になる敵もいない。保守派の求心力が固まる情勢ではないね。
 
追記:ロムニー、失言も目立つね↓
 
 
 
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豪徳寺さんのご質問
中古ファミリー向け投資に関心をもっておりますが、中古マンション投資についてご教示下さい。
ファミリー向けの都内の需要の緩みを感じることはありますか?
ファミリー向けの場合、テナント入れ替え時のリフォーム費用が嵩むため利回りが下がってくるかとも思うのですが、どのように対応されていますでしょうか?
今後ともファミリー向けが有望とお考えですか?

 
まず、マンション投資について、このブログでは1月に書いたからそれをご参照頂きたい。
また週刊エコノミストの「賢い資産運用」の連載で今年の2月から7月まで書いたが、後半に5回に分けてマンション投資のことを書いています。基本は上のブログと同じだが、より詳しく書いてあります。
 
ファミリー向けの都内の需要の緩みを感じることはありますか?
需要には賃貸需要と購入需要の双方があるが、賃料については2009年から2011年にかけて軟化している。東京都内のデータでも、自分自身の更新時の経験でも、賃料の下げ圧力が確認できました。
賃料と価格の双方の推移については、私のホームページに掲載している「住宅価格指数/賃料指数」のグラフをご覧いただきたい。2012年4月分まで更新してるが、2012年になって下げ止まりつつ感じです。
 
テナント入れ替え時のリフォーム費用
テナント入れ替え時の大規模なリフォームは基本的にしません。
唯一、母が買った古い赤坂のマンションで排水管が老朽化して漏水のリスクが高まったので、各戸排水管の取り換えをしなくてはならなくなった時に、バスルームの改装が付随的的に必要になって丸ごとユニットバスに替えたので、100万円単位の経費がかかりました。 この物件は、2007年の秋にリフォームコストを取得原価に上乗せした以上の価格でうまく売れました。
 
自分の所有マンションについては、床がカーペットだったものがあり、それが理由でテナントが難色を示していたので、フローリングに替えたことがあります。費用は数十万円でした。
 
今後ともファミリー向けが有望とお考えですか?
もちろん市況次第だが、そう考えている。今年は2月と5月に2つ買いました。
ワンルームマンション投資についてはメリットをほとんど感じません。それは上のブログでも書いていますが、ワンルームを買って住む需要がないからです。転売するときは買手は皆投資目的だから利回り還元法で価格を計算されるので、市況が良い時でも高く売れません。
ワンルームを買うのだったら、中古をうんと値踏みしてディスカウントで買って、ずっと持ち切るつもりでやるなら良いでしょう。
 
言うまでもないことですが、価格はディスカウント・キャッシュ・フロー法で計算して、業者、売り手の価格と比較してください。売り手、業者が強気の時に、彼らの言い値で買って成功することは、まずありません。 彼らが弱気の時に交渉して買うもんです。
計算ための表計算フォームは上記の私のホームページに一緒に掲載してあります。計算の割引率は現在の市況なら6%前後(幅を取って5%半ばから6%半ば)を適用したいね。
 
ディスカウント・キャッシュ・フロー法の計算原理は、上記のエコノミストの連載でも説明しましたが、「なぜ人は市場に踊らされるのか?」(2010年、日本経済新聞出版社)でも説明しています。
 
適当な物件仲介業者の紹介をご希望でしたら、紹介することも致します。その場合は、個別にEメールしてください。ただし業者の紹介物件の良し悪しを含め、取引については一切の責任を負いかねますので、念のため。
 
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先日のミット・ロムニーの共和党での大統領候補演説で、増税せず、歳出削減で財政赤字を削減しながら、4年間で1200万人の新規雇用創出は非現実的だとコメントした。さて、オバマはどう言うか?
 
昨日はオバマ大統領の再選を向けた候補指名演説があった。以下のサイトでフルテキストが読める。
 
オバマ大統領が演説の中で雇用について具体的に数字で語っているのは、以下の通り。
We can help big factories and small businesses double their exports, and if we choose
this path, we can create a million new manufacturing jobs in the next four years.
(製造業で4年間で100万人)
 
If you choose this path, we can cut our oil imports in half by 2020 and support more
than 600,000 new jobs in natural gas alone.
(天然ガスで2020年までの8年間で60万人)
 
Help me recruit 100,000 math and science teachers in the next ten years, and improve
early childhood education.
10年間で理科系、数学系の先生を10万人)
 
Help give two million workers the chance to learn skills at their community college that
will lead directly to a job. (200万人のカレッジスクールでの再教育、これは雇用ではなく、雇用に向けた再教育)
 
4年間で1200万人とぶちあげたロムニーの空想的なでっちあげに比べれば、とても控えめで、現実的というべきか。
 
問題は米国の人口は3.1億人で、人口は年率約1%、生産年齢人口は約0.5%毎年増えているということだ。つまり年間155万人の新規雇用増がないと、失業率は低下しない。 だから上記の雇用増の数字では全然帳尻がつかない(足りない)。
 
オバマの雇用に関する上記の数字も、「たとえばこんなことをするよ」と言っているだけで、経済全体の雇用増の規模はコミットしていないと理解すべきだろう。政権を担当してみて、バブル崩壊後の雇用増加がいかに難題か分かった結果だとも言えようか。
 
さて日本の民主党は次回の総選挙のマニフェストはどんなものにするのかな?空想的なメニューがおてんこ盛りになっていた2009年のマニフェストとは様変わりにしぶくなるんだろうな。まさか学習効果が働かないなんてことは、ないよね・・・・・(^_^;)
 
 
竹中正治HP
http://masaharu-takenaka.jp/index.html (←ホームページ、リニューワルしました(^^)v)
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