たけなかまさはるブログ

Yahooブログから2019年8月に引っ越しました。

2013年03月

毎日新聞社エコノミスト、臨時増刊号、 「円安、株高、景気」 本日発売
本誌に2点、以下の論考を寄稿しております。

「賢い外貨投資 ここを見れば『行き過ぎた円安・円高』がわかる」
「2%インフレで何が起こる?家計へのアドバイス」


私もこれから読むところですが、目立ったところでは以下の方々が寄稿しています。
早稲田大学若田部昌澄教授、嘉悦大学教授高橋洋一、GSキャシー松井、みずほ総研小野亮シニア・エコノミストなどなど(敬称略)

ご関心ございましたら、ぜひご購入ください<(_ _)>
 
竹中正治HP
http://masaharu-takenaka.jp/index.html (←ホームページ)
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昨日3月18日の読売新聞はこの調査結果を一面にしていたので、ご覧の方も多いでしょう。
以下は時事通信の記事です。
 
47%が「時間がない」=がん検診受けぬ理由―内閣府調査
引用:「内閣府は16日、「がん対策に関する世論調査」結果を発表した。がん検診を受けない理由(複数回答)は、「時間がない」(47.4%)が最も多く、「がんと分かるのが怖い」(36.2%)が続いた。厚生労働省の統計では、受診率は依然として2~3割にとどまっており、同省は「調査結果を踏まえ、実態に即した対策を検討していく」としている。
調査は1月17日から同27日まで全国の成人男女3000人を対象に個別面接方式で実施した。」
 
これを見て少し驚いた。だって「がんと分かるのが怖い」という理由が36%もいるなんて、日本人ってそんなにバカが多かったの?と思ったからだ。
 
「がんと分かるのが怖い」からがん検診しない方でも、がんで死にたいとは思っていないわけだ。だったらコストとか時間などの制約がないかぎり、受けるのが合理的な判断でしょ。
 
あるいは通常、所属組織で行なわれている定期健診でがんも発見できると、なんとなくイメージしているとかの理由なら、理解はできる(実は定期健診では、がん検診が含めれていない場合が圧倒的だ)。
 
それで内閣府のサイトで報告書のオリジナルを見ようとしたら、平成19年の調査結果か出てきた。ところが私は最初それが旧い調査だとは気がつかなくて見たのだが、「結果が不安だから受けたくない」は5.2%というデータだった。
 
それでこれは一体どういうこと?記事がでたらめ?とかfacebookに書いて、お騒がせしたんだが、実は当日はまだ内閣府のサイトには今回の最新結果が掲載されていなかったという顛末。
 
で、本日掲載された今回の調査結果を見て、平成19年と今回の調査の結果が大きく違うことがようやく分かった。
今回の調査結果はこちら
 
平成19年と21年の旧調査では、自分ががん検診を受けていない理由を複数選択可で問うている。
そうすると平成21年の調査では4.8%の人が「結果が不安だから受けたくない」を選んでいる(複数選択だから合計は160%になる。平成19年の調査結果もほぼ同様だ。
 
ところが今回は設問を変えて、
日本のがん検診の受診率は,20-30%程度と低く留まっています。あなたは,多くの方ががん検診を受けないのはなぜだと思いますか。この中からあてはまるものをいくつでもあげてください。」と尋ねている。
 
すると、どうだ、「がんであると分かるのが怖いから」を選んだ人が36.2%にはね上がった(複数回答なので合計は262%)。 要するに「他の連中ががん検診をあまり受けない理由について、あなたはどう考えますか」という趣旨に設問が変わっているわけだ。
 
これをメディアの報道は、過去の設問との違いなどの説明も抜きに報道しちゃうので、わけわからん状態になった。
 
で、教訓として何が言えるかと言うと・・・
①やはりアンケートというのは設問次第で生じる回答は大きく違ってくる。
②人間は自分に関することではおバカな理由付けを回避しようとするが、他人のことについては「バカな理由で選択している」と判断する傾向があるかもしれない。
③しかし本当にがん検診を受けない事情を調査するならば旧来のアンケートの設問の方が適切なのではないか?
というわけで、あんまり面白くもない顛末だったが、facebookで「この記事、おかしい」とか騒いだので、ご説明もかねてブログにしておきました。
 
がんと検診に関する私のスタンスは以前以下の通りブログに書いたので、ご参考まで。
手短に言うと、がん保険に年間数万円も払うより、毎年1回総合的ながん検診を受信する方が、合理的な選択ですよということに尽きる。 
みなさん、がんで早死にしたくない限りは、毎年がん検診を受けましょう!
今日のがん検診は昔よりスマートになって、「直腸に指突っ込む方式」などは一般的ではなくなっているようですということも言い添えとこうか(^_^;)
 
以下は国立がん研究センターのがん検診に関するサイトです。
 
追記:がんの治療費については以下のサイトが、参考になりそうです。
特に「高額医療費の月別自己負担額上限」などご注目ください。
高額医療費制度が自己負担の上限を設定してくれますので、「治療費が途方もなくかかる」というイメージは誤っています。
 
追記その2:「がん統計」(財)がん研究振興財団 ←有益
がんの部位別、進行度別の5年後生存率のデータ他
以下のサイトの図表編7、「地域がん登録における5年生存率」をご覧ください。
「局所=早期がん、領域=進行がん、遠隔=末期がん」という表記になっているようです。
 
やはり早期がんの段階で発見できれば、5年後生存率は90%を超えていますね。
ただし5年で計測するのが標準化されているようで、10年後生存率データは一般的ではないようです。
5年以降の発病は、新規のがん発生と見るからでしょうか。
10年後生存率のデータと検証を必要だと主張するサイトもありました。
 
追記その3:がん検診と早期発見に関する各種サイト
どうやらコメントを寄せてくれた方々を含めて、癌治療などを批判した近藤誠氏の一連の著作の影響が強いようですね。興味がわきましたので、本件はしばらく時間をかけて勉強して後日再度とりあげましょう。
とりあえず今のところ、以下のサイトが参考になりました。
 
American Cancer Society
Cancer Prevention & Early Detection  Facts and Figures 2010
 
WHO
Early Detection of Cancer
 
上記2つのサイトではがん予防の並んでearly detection(早期発見)のための検査の普及の必要性が語られていますので、「欧米では早期発見のための検診の有効性が否定されている」というのは、控えめに言って、言い過ぎでしょう。ただし、もちろん全ての検診の有効性を無条件に意味するものではありません。
 
がんちりょうドットコム
上記のサイトは、主催者の正体が不詳なので、それを前提に読む必要がありますが、比較的バランスのとれた書き方をしているように感じました(ただしくりかえし断っとくけど、私は医療もがんも素人ですからね。内容の真偽には責任負いかねます)
 
患者よ、癌と闘うな?
麻酔科の医師の個人サイトです
近藤誠氏vs.丸山雅一氏の論争(近藤氏の本への丸山氏の批判)が整理されています。
 
科学的根拠に基づくがん検診推進ページ
 
 
追記4: 
近藤誠氏の本を読んで感化を受けた方は、次のように自問してみると良いだろう。あなたが今日病院で胃がんだと診断された。ただし早期の段階なので医者は手術で除去すれば90%以上完治すると言う。さてあなたは手術を受けますか?それとも近藤氏を信じて、手術は無駄だからと拒否しますか?
もちろん私は摘出手術を受けます。
 
追記5(2013年12月22日)
やはりこちらの主張に真実を感じますね。
 
 
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定着したら、そちらにシフトするかもしれません。
 
 
 

以前から紹介しているREIT相場の割高・割安を示唆するP/NAV指標(以下サイト)
 
とうとう2006-07年並みの割高水準まで到達しました。
もちろん、賃料の上昇、空室率の低下などで、収益還元した不動産価値が増加すれば、REIT価格のさらなる上昇も可能ですが、ここはひとまず、期待先行による上昇度合いがかなり限界まで伸びきっていると判断しておきましょうか。
 
とりあえず、保有していたREITで最も配当利回りが下がった(価格が上がった)ものを一部売りました。
まだ3分の2、残っていますがね。
REITの期待配当利回り3%割れは、やはり行き過ぎでしょう。
 
日銀黒田新総裁は量的金融緩和の手段として「REITも、もっと買え!」って方針出すんでしょうか?
 
 追記
本日の日経新聞夕刊記事
「アジア富裕層、都心の高級マンションを積極購入」
引用:「アジア富裕層の間で東京都心の高級マンションを購入する動きが広がってきた。日本の金融緩和に伴う円安の進行で従来以上に価格に割安感が出ているためだ。仲介業者はシンガポールや台湾での商談会を増やしており、昨年比5割増の成約を見込む会社もある。デベロッパーも海外向け販売に積極的。海外からの個人マネー流入に一段と弾みがつき「アベノミクス」の効果は株や債券だけでなく不動産にまで波及しつつある。」
***
ふふふ、来ましたね~の感じ。私はこっちのポジションの方が規模的に本命です。
しかし個別マンション物件の価格が上がるまでにはまだ時間がかかるでしょう。
ゆっくりとお待ちするスタンスです。(^。^)
 
 

3月6日の東京高裁の判決を受けて、1票の格差とその是正問題が話題になっているが、政治家の動きは鈍い。格差のおかげで当選している地域の議員さんという既得権層の抵抗が強くて、大政党ほど抜本的な是正ができない構図が目に見えている。
本格的な格差是正ができれば、日本の政治的な力関係は変革され、政策と経済的な資源配分にも地殻変動を起こすだろう。
 
昨年衆院選は「違憲」=是正遅れ「看過できず」1票の格差訴訟・東京高裁
引用:「「1票の格差」を是正せずに実施された昨年12月16日の衆院選は違憲として、弁護士らのグループが東京1区の選挙無効を求めた訴訟の判決が6日、東京高裁であった。難波孝一裁判長は「違憲状態とした最高裁判決で強い警鐘が鳴らされたのに、区割りが是正されず選挙に至ったのは看過できない」として、選挙は違憲と判断した。選挙無効の請求は棄却した。」
 
添付の図表は、一票の格差として「都道府県別の20歳以上人口に対する衆議院議席数の比率(東京都=1とした場合の比率)」を横軸にとり、縦軸にやはり都道府県別の地方交付税(給付)の人口1人当たりの金額(単位:万円)を示した散布図だ。
見事に右肩上がりの分布になっており、相関係数(R)は0.755とかなり1に近い。
 
つまり結果を見る限り、1票の格差の結果、選挙人口に比べて国会により多くの議員を送り出している府県ほど、人口一人当たりより多くの地方交付金(総額8.2兆円、平成21年度)を受けていることになる。
 
もちろん、地方交付税の給付額は各地域の「基準財政需要額」と「基準財政収入額」を計算して、「財源不足額」をベースに割り当てられるので、そこの選挙区の議員の数が多いからと言って、「多い者勝ち」で配分されているわけではない。
 
戦後長期にわたって人口減少度合いの高い地域は税収も上がらず、結果として財源不足額大きくなると同時に、議員定数の是正が進んでいないので多くの議員が割り当てられている結果だとは一応言える。
 
しかし悪魔は細部に宿るのたとえで、「基準財政需要額」の計算だってちょっとした想定の変更で大きくも小さくもなるだろう。そういう部分に絡むのが政治家の得意なことだし、結果的に自分らの地域が不利になるような(もらいが少なくなるような)ルール変更には多数を頼んで抵抗することになる。
 
そういう意味では、地方交付税8兆円は一例に過ぎず、有権者数を公平に反映しない議員定数の分布が、国家予算全体の配分を本来あるべき姿(完全に議員定数が公平に割り振られた場合に生じる予算配分や政策)から乖離させていることは、公共経済学や財政学の分野の経済学者などがもっととり上げて問題にすべきじゃなかろうか。
 
報道によると自民党の議員も、JAの支持を得て当選した国会議員数が170人もいるそうだ。人口分布を考えれば明らかに歪んだ結果だろう。
 
追記(3月26日):違憲のみならず、無効!という判決も出ました。
 
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「キングダム」というマンガをご存じだろうか?週刊ヤングジャンプに連載されている。昨年このマンガがNHK・BSでアニメ化されて放映され、それを見始めたら家族そろってはまり、特に父と息子(中1)はかなりディープにはまってしまった(^_^;)。
 
大学の春休み中の今、原稿書きに追われながら、このマンガ全巻を買って楽しみながらチビチビと読んでいる(一気に読んじゃうともったいないからね)。
 
中国の春秋戦国時代の秦国を舞台にしたフィクションなのだが、下僕の出身でありながら、「いつかオレは天下の大将軍になってやる」という野望に邁進する少年「信」の物語だ。マンガの要所要所で登場するこの信少年の「決め台詞」がなかなか良いのだが、今はその話ではない。
 
今関連するのは、戦国の武将達が展開する軍略だ。「オレがこう動けば、相手はこう動くだろう。だからそれを予期して、ここでこう待ち構える」というような軍略シミュレーションを行なう。当然相手の武将も「奴がこう出てくれば、オレはこう動く・・・と奴は読んでいるはずだから、意表をついて逆に動く」というような読み合いが起こる。
 
相手の先の先まで読みこんで、様々なケースへの備えをしながら、自分の描いたメインシナリオに相手を追い込んでいけば勝ちになる。もちろん、シナリオは予想外の動きで変更も当然起こる。その予想外の要因が、信の率いる100人部隊「飛信隊」だったりするので、実に面白い。
 
マンガの話が長くなったが、本題はアベノミクスだ。消費者物価指数で2%、あるいは名目GDP成長率で3%という目標が達成できるかどうか?それが目先の課題だが、それが実現できた、あるいは実現に近づいた時に何が起こるか、やはり一歩先を読んでおくことは経済政策や投資でも欠かせない。
 
固定したシナリオではなく、戦国武将達がやるような様々のシナリオを脳裏に描いて、「こうなったら、次はああなる。ああなったら、次はこうなる」と絶えずシミュレーションをしていることが、大切なことなんだ。
 
で、アベノミクスの目標が達成できた時に生じる最大のリスクは国債利回りの上昇(価格の下落)だ。政策的にはこれをソフトランディング的な範囲にとどめることができるかどうかが最大の課題になるだろう。
 
ではどのくらい、国債利回りは上がり得るのか?10年物で過去データで推計してみた。
以下添付はその結果だ。3月25日発売予定のエコノミスト臨時増刊号で本件推計に基づく私の論考が掲載される。ブログの読者にはちょっと早く、ネタの部分をご披露しておこう。
 
竹中正治HP
http://masaharu-takenaka.jp/index.html (←ホームページ、リニューワルしました(^^)v)
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