たけなかまさはるブログ

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2015年04月

ITバブルのピークから15年目の春
昨晩金曜日のNY市場、NASDAQが歴史的な高値を更新して引けた。
今朝の日経新聞の記事に書かれているが、NASDAQはその構成企業を大きく変貌させながら、展開してきた。ITバブル崩壊後は、しばらくバブルの象徴のように言われたNASDAQだが、米国経済の新陳代謝の高さを象徴する資本市場だろう。

イノベーションの速い技術環境に適合しているのは、多産多死型の経済だと思う。なぜなら何が次の主役に躍り出るか、不確実性が高くて事前には予知、計画できないからだ。多数の試行錯誤の中から生き残った事業が次代の主役になる。これが今日の米国経済のダイナミズムの中核だろう。
日本に足りないものは、これなんだよね・・・。
米国経済を「マネー資本主義」とか批判して、わかったようなつもりになっていると、取り残されるぞ。

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日経記事引用:「ハイテクや新興企業が多く含まれるナスダック総合株価指数が23日、15年ぶりに過去最高値を更新した。かつて主役だったパソコンメーカーなどが市場から退く一方、新たに交流サイト(SNS)やバイオ医薬関連の企業が上昇をけん引する構図だ。活発な新陳代謝が高値更新の原動力となっている。

 この15年間で上位20位内にとどまったのはマイクロソフトやシスコシステムズなど4社のみ。ナスダック市場の上場企業数は00年当時は約4800社だったが、現在はおよそ2560社へと大きく減った。同市場から消えた企業の半数はM&A(合併・買収)によるものだ。

(ITバブル)当時のナスダック市場のPERはおよそ150倍台だったが、現在は20倍台。歴史的にみて過熱感を意識させる水準はほど遠い。」
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日本でもJASDAQが9年ぶりの高値更新だが、NASDAQの時価総額6兆ドル余、JASDAQは10兆円・・・二ケタ規模が違う(-_-;)

(世界の主要株式市場の時価総額:http://www.stockmarketmaps.com/wfe_dmc/monthly_ccs1.html#m=a1

資産バブルを起こす人間と市場の非合理性について長く考え、本にも書いてきたが・・・最近思うのは、「バブれる」というのも若さのうちなのかなと。人間の「わかさ」と「バカサ」はコインの両面なのかもしれない。

スティーブ・ジョブズも"Stay Hungry, Stay Foolish"って言っていたよね。

(以下画像は今朝の日経新聞記事より)

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トムソン・ロイター社への4月の寄稿です。
ただいま掲載されました。
ご覧になってよろしければ、ロイター社サイトで「おすすめ」とかクリックお願い致します<(_ _)>

一部引用:「失業率や新規雇用者数で見る米国の雇用情勢は着実に改善しているにもかかわらず、インフレ率が目標の2%未満の状態が続いている。 このことに米連邦準備理事会(FRB)が頭を悩ましている。これは日本にも共通する問題だ。米国で低インフレが続く原因とそのリスクを考えてみよう。」

「注目すべきは、「長過ぎる期間、金利を低過ぎる水準に維持すれば、投資家による不適切なリスクテイクを助長しかねず、金融市場の安定性を損なう可能性がある」とイエーレン議長が述べていることだ。つまり、資産バブルのリスクに言及しているのだ。    

イエレン議長はそれ以上踏み込んでいないが、この点は今日の金融政策をめぐる厄介な問題に絡んでいる。というのは、インフレ率の安定と雇用の最大化を実現する金利水準と、資産バブルを抑制・回避するのに適正な金利水準が一致する保証はないということだ。

むしろ「雇用・インフレに望ましい金利水準が資産バブル抑制・回避に望ましい金利水準より低くなる」という乖(かい)離が生じる可能性が高い。これこそ過去四半世紀の様々な資産バブルの教訓ではないだろうか。

さらに言えば、米国の景気循環自体が、総需要と総供給のバランスを軸にした実体経済の循環的な変動(business cycle)から、信用の膨張と収縮を伴う資産価格の変動(credit cycle, market cycle)に性質を変えている可能性がある。

ドル高を伴った低インフレが長引く結果、金利の引き上げが延び延びになり、信用の膨張が再び株式か不動産などの資産価格のバブル的高騰を招く危険が、まだ将来のことではあるが、じわりと高まっていると思う

筆者は米国経済については長期的に強気の見方をしているが、それはリスクの不在を意味しない。イエレン議長がこの厄介な問題にどう対処するか、それが問われる局面が数年以内に到来する気がしてならない。」

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追記(2015年6月2日)WSJ記事、参照:

http://bylines.news.yahoo.co.jp/takenakamasaharu/  Yahooニュース個人
↑New!YouTube(ダイビング動画)(^^)v


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