たけなかまさはるブログ

Yahooブログから2019年8月に引っ越しました。

カテゴリ: 政治・財政

3月6日の東京高裁の判決を受けて、1票の格差とその是正問題が話題になっているが、政治家の動きは鈍い。格差のおかげで当選している地域の議員さんという既得権層の抵抗が強くて、大政党ほど抜本的な是正ができない構図が目に見えている。
本格的な格差是正ができれば、日本の政治的な力関係は変革され、政策と経済的な資源配分にも地殻変動を起こすだろう。
 
昨年衆院選は「違憲」=是正遅れ「看過できず」1票の格差訴訟・東京高裁
引用:「「1票の格差」を是正せずに実施された昨年12月16日の衆院選は違憲として、弁護士らのグループが東京1区の選挙無効を求めた訴訟の判決が6日、東京高裁であった。難波孝一裁判長は「違憲状態とした最高裁判決で強い警鐘が鳴らされたのに、区割りが是正されず選挙に至ったのは看過できない」として、選挙は違憲と判断した。選挙無効の請求は棄却した。」
 
添付の図表は、一票の格差として「都道府県別の20歳以上人口に対する衆議院議席数の比率(東京都=1とした場合の比率)」を横軸にとり、縦軸にやはり都道府県別の地方交付税(給付)の人口1人当たりの金額(単位:万円)を示した散布図だ。
見事に右肩上がりの分布になっており、相関係数(R)は0.755とかなり1に近い。
 
つまり結果を見る限り、1票の格差の結果、選挙人口に比べて国会により多くの議員を送り出している府県ほど、人口一人当たりより多くの地方交付金(総額8.2兆円、平成21年度)を受けていることになる。
 
もちろん、地方交付税の給付額は各地域の「基準財政需要額」と「基準財政収入額」を計算して、「財源不足額」をベースに割り当てられるので、そこの選挙区の議員の数が多いからと言って、「多い者勝ち」で配分されているわけではない。
 
戦後長期にわたって人口減少度合いの高い地域は税収も上がらず、結果として財源不足額大きくなると同時に、議員定数の是正が進んでいないので多くの議員が割り当てられている結果だとは一応言える。
 
しかし悪魔は細部に宿るのたとえで、「基準財政需要額」の計算だってちょっとした想定の変更で大きくも小さくもなるだろう。そういう部分に絡むのが政治家の得意なことだし、結果的に自分らの地域が不利になるような(もらいが少なくなるような)ルール変更には多数を頼んで抵抗することになる。
 
そういう意味では、地方交付税8兆円は一例に過ぎず、有権者数を公平に反映しない議員定数の分布が、国家予算全体の配分を本来あるべき姿(完全に議員定数が公平に割り振られた場合に生じる予算配分や政策)から乖離させていることは、公共経済学や財政学の分野の経済学者などがもっととり上げて問題にすべきじゃなかろうか。
 
報道によると自民党の議員も、JAの支持を得て当選した国会議員数が170人もいるそうだ。人口分布を考えれば明らかに歪んだ結果だろう。
 
追記(3月26日):違憲のみならず、無効!という判決も出ました。
 
Yahooニュース個人に投稿を始めました。以下サイトです。よろしければサイトで「おすすめ」クリックとかお願い致します<(_ _)>
本件ブログと同じ内容です。
定着したら、そちらにシフトするかもしれません。
 
イメージ 1
 

とんでもない本だ・・・海千山千の経験を積んだベンチャーキャピタリストが、米国から輸入されたこざかしい経営学の諸説など一度投げ捨てて、ビジネス的な「野生の本能」に戻れと挑発する。
(アマゾンサイト↑ 例によってレビュー書いています。よろしければ「参考になった」くりっくお願い)

この本を読んで何かビジネス上の問題を解決する知恵が得られる期待してはいけない。著者はマッキンゼーのコンサルタントだったにもかかわらず、ぬけぬけと言い放つ。「問題解決は得意ではない。私が得意なのは課題創造である。」 こらあ!金返せ(^_^;)

著者の言う「もう終わっている会社」とは次のような会社だ。
1、コア事業にすべての経営資源を投下している。
2、中期経営計画をしっかりつくる。
3、「お客様の声を聞け!」と必死になる。
4、新規事業などを大まじめに検討する。
5、あいまいさを許さない内部統制とコンプライナンスに一生懸命になる。

どこの会社も一生懸命やっていることじゃないか・・・(゜o゜)

一番にやり玉にあげるのは、日本の会社が90年代以降一生懸命やってきた「集中と選択」だ。
「どうしてそれがいけないの?日本の企業は集中と選択が足りないって、経営コンサルタントも経営学者も、みんな言ってきたじゃない」

米国では結果的に不確実で不連続な未来に賭けるような集中と選択が行なわれた(失敗も多かったろうが)のに、日本では「従前の国内の成熟事業や変革のない安定した市場にやみくもに押し戻すこと」が「集中と選択」の名の下に行なわれてきたからだと言う。

その結果は、イノベーションの枯渇だ。
だいたい世の中のイノベーションの芽は、早期の段階では誰もその可能性信じていないようなものだ。ところが組織の中の異端児が(場合によっては社長が)、クレジーな情熱を注いで実現したようなことばかりじゃないのかという。成功した後でそれをふり返ると、過去が美化されて狙いすました「英断」となっている語られるのだろう。

そうした芽を「集中と選択」で摘んでしまっては、イノベーションは枯渇し、会社は面白くも楽しくもなくなる。「未来の不確実性に挑戦する人間の原始的能力こそ会社の利益の源泉」なのに、それが枯れる。キャノンの御手洗社長は、「その事業はいかがわしいか?いかがわしいなら、やれ!」と言ったそうだ。なんて非論理的で直感的な名言じゃあないか、と著者は共感する。

イノベーションはそのマグニチュードが大きいほど、既存事業や産業に対して破壊的なものになる。そんなものが、組織や産業のメインストリームから生まれるはずがないだろう。「すてるものがない、守るものがないベンチャーや、誰にも侵されることのない辺境や周辺から」イノベーションは生まれるのだという。だからベンチャーを育てよう。組織の中にベンチャー的な挑戦を許す多様性を大事にしようと語る。

そのためには覚醒した(あるいは、気のふれた?)個人が横、縦、斜めに連携して、ゲリラ的に創造的な破壊活動を展開しようというのが著者の遠吠えメッセージだ。

もう一度言う。
とんでもない本だ・・・・そして読みながらこんなワクワクしたビジネス書ははじめてだ!
 
竹中正治HP
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民主党の敗因を考える2つの対極的な論考を掲載しておこう。
 
1つめは元朝日新聞編集委員の山田厚史という方の論考だ。
「中道左派=リベルラ退潮の理由」
引用:「自民圧勝の総選挙は「中道左派=リベラル」の退潮を印象付けた。米国でオバマ大統領を支えたのはリベラルであり、フランスのオランド大統領は社会党だ。格差を生み出すグローバル市場主義に平等志向で対峙する中道左派はなぜ日本で支持を得られないのか。
 
格差を生み出すグローバル市場主義に平等志向で対峙する中道左派はなぜ日本で支持を得られないのか。

答えは明白だ。旧左翼と市民運動の間に「深い溝」がある。越えようとする覚悟がない。組織防衛が先に立ち「妥協」を拒む。負け癖がついて敗北に危機感が伴わない。

リベラルはグローバリズムの反作用であるナショナリズムに押され気味だ。不況への苛立ちから拝外主義や強い政府を求める空気は欧米でも起きている。尖閣・竹島・北のミサイルなど近隣の不愉快な動きが右の追い風になり、中道左派は結束できないまま自民党の独走を許した。」
*****
 
「なぜ私たちは負けているの?」との自問、この方の主張には私は賛同しないが、なぜ?の問いについては、私にとって「答えは明白だ。」
私はアメリカでのリベラリズムには共感する点が多い。しかし日本の「リベラリズム」には共感できない。そもそも内容が違うのだ。
違いはいろいろあるが、最大の違いは一言でいうとgovernance 能力だ。
ガバナンス能力と意識がないから、すべて主張は「アンチ」になってしまう。
米国のリベラルと日本のそれの違いとして、NAFTA(北米自由貿易協定)を実現したのは民主党のクリントン政権だったことをあげておこうか。
この山田さんという方、そんなことも知らないで書いているのかな・・・・さすが元朝日新聞(-_-;)だあ。
こんなドはずれな教訓を抽出している限りは日本で「中道左派」の復権はないだろうな。
 
2つめは竹中治堅さんという名前が私と一字違いの政策研究大学院大学の教授の論考だ。
「民主党代表選で問われるもの:総選挙敗北の教訓」
http://bylines.news.yahoo.co.jp/takenakaharukata/20121222-00022807/
 
引用:「下記の政策をご覧頂きたい。この政策がどの政党のものかわかるであろうか?
財政
国家財政に企業会計的視点を導入し、実態を国民にわかりやすく示す。行政改革・経済構造改革を進め、国・地方をあわせた財政赤字について、2010年まで の明確な削減・抑制の数値目標を設定する。
経済情勢に柔軟に対応し、持続可能な経済成長と財政再建を両立させる。赤字国債・建設国債の区分をなくし、限られた資金を政策的に必要な分野に回せるように改革する。

経済
自己責任と自由意思を前提とした市場原理を貫徹することにより、経済構造改革を行う。これにより、3%程度の持続可能な経済成長をめざす。

規制改革
規制改革を長期的経済発展の基本と位置づけ、経済的規制は原則廃止する。環境保全や消費者・勤労者保護などのための社会的規制は透明化や明確化を進める。

この政策には構造改革という文字が並ぶ。財政の再建目標が2010年ということがなければ、みんなの党、あるいは日本維新の会のものかと見紛うような政策である。

これは民主党が現在もその基本政策として掲げるものである。1998年4月に民主党が新党友愛や民政党などと合併した際に策定された。今も民主党のホームページに「民主党基本情報」として載っている。」
*****

こちらの論考には共感する点が多い。
たしかに2000年代前半頃までは民主党は自民党と「改革を競い合う」スタンスだった。それがその後、小沢の主導で変質したのが、今回の敗北の遠因との結論だ。

ただし結論の部分については私はちょっとだけ違う意見だ。民主党にはそもそも党として統一した政策原理なんか持っていなかった。 時代の雰囲気に合わせてふらふらと漂流してきた。

政策原理なんかなかったので、その過程で右から左まで吸収して大きくなることができた。ただし野党の時はそれで良かったが、政権を担うようになったとたんに、その矛盾が吹き出し、ガバナンス能力の欠落を露呈してしまった。そういうことではないか(-_-;)

もっとも政策を軸に政党が組織されていないというのは自民党にも言えることで、日本の政党のあり方の最大の問題だと思う。
 
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この記事は興味深い。
 
引用:
「9月16日、あのときあなたは、なぜ反日デモに参加したのか」と記者が問い、「宿舎にいても退屈だった」と李が答える。
 
その後、福田区の警察署は、当時デモに参加し襲撃行為を行った暴徒をビデオから洗い出し、指名手配のポスターにして街中に貼り、ネットでも配信した。
 
李は自分が “指名手配中”である事実を友人から聞いて知った。それは確かに「自分の顔」だった。9月23日の出勤途中、街頭に貼り出された自分の手配写真を発見し、自首することを覚悟した。そして彼は、しばらく留置所に入れられた。・・・・・
 
彼らの標的とされた車に、張慧さんが運転するホンダの新車があった。蔡洋が率いるデモ隊が前方から突進してくるのが見えたが、別の道から逃げようにも渋滞で動けなかった。彼女はすぐに車から降り、跪いて叫んだ。
「どうか壊さないで!中に子どもがいるんです!」
 車の中には姉と姉の息子(17歳)が乗っていた。にもかかわらず、ひとりの若者がフロントガラスを脚で蹴破ると、それ以外のデモ参加者も後に続き、棍棒でホンダ車の破壊にかかった。・・・・・
 
さて、これら反日デモ経験者の述懐からは、このデモが最初から最後まですべてが政府主導だったわけではないことが見て取れる。また、中国全土で「同時発生」したという現象は、「官製デモ」と判断されがちだが、デモ前夜にはデモの組織化に向けて蠢く市民のやりとりがあったこともわかる。」
 
ただ、共通するのは、デモの参加者たちは格差社会のの底辺層であり、全体として「十分な教育と十分な収入を得ている層ではない」という点だ。上海の場合は、デモ参加者の使う言葉に方言が多く、地元の“上海弁”がほとんど聞こえてこなかったことからも、「外地出身者」の比率が非常に高かったことが想定される。」
*****
 
なぜこの記事が特段私の関心をひいたのか? 私が学生時代にやった「中国研究」の論考で描いたこと、つまり60年代の文革を通じて、全く同様の構図、抑圧された大衆の不満と権力の意図の二重構造からなる中国的動乱の構図が現代の中国でもそのまま続いていることを示唆しているからだ。
大学2年生当時の私の論考の一部を引用しておこうか。
 
引用:「限定された文化思想状況の中で、彼らは自らの不満要求を毛沢東の奪権の論理に直結させることによってしか表明することができなかった。それが本来ならば民主的合理的に解決されるべき彼らの不満・要求を動乱という形で爆発させた原因である。
 
そして、その動乱による秩序破壊を収拾するためにより一層の軍事官僚主義支配が必要とされるという悪循環。
そこに、この資料に現れた労働者の権力闘争が官僚主義的労務管理への批判を内在させながらも、一層の官僚主義的秩序の中へ収束していかなければならなかった悲劇の根拠があった・・・」
(竹中正治 「『紅衛兵通信集』に見る文革期の中国労働者階級の一局面に関する考察」全日本学生中国研究会連合中央論文集「燎火」1977年掲載)
 
ただし違いもある。いくらなんでも当時の毛沢東のように自分の権力奪回のためなら「文革」的動乱を繰り返しても良いと思っている権力者は今はいないだろう・・・と思うのだが。
 
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「金融財政ビジネス」2012年11月5日号に寄稿した小論です。
***
財政赤字を軽視する論者は「日本政府の財政赤字は大きいが、国内の貯蓄でファイナンスされているから問題ない」と語る。
 
確かにそれは日本の経常収支が黒字であることと表裏一体の事実だ。そして誰かの金融資産は他の誰かの負債(あるいは出資金)である。従って日本全体で対外的に赤字や負債超過にならなければ問題はないと言えるだろうか。実はそうではない。
 
単純化して、周囲から完全に閉ざされたXとYの2つの村があるとしよう。 X村では、Hさんが貯蓄超過で、村長のGさんはHさんの貯蓄超過分をそっくり借金している。村長のGさんはHさんからの借金で毎月村人を集めて宴会をし、借金分は全部消費している。 
 
一方、Y村ではH’さんが貯蓄超過でFさんがH’さんから借金して、新しい果樹園の開墾に精を出している。果樹園の果物が収穫できるようになるまで3年かかるので、その間FさんはH’さんからの借金で自分と従業員の生活費をまかなっている。
 
両村とも外部から閉ざされているので、村人の間の債権債務関係は相殺するとチャラになる。存在する債権債務関係は、HさんとGさん、並びにH’さんとFさんのものだけであり、額は同じだとしよう。
 
さて3年後に豊かになっているのはどちらの村だろうか。言うまでもない。3年後にY村ではFさんが開墾した果樹園で収穫ができるようになり、FさんはH’さんへの借金を返済し、村人全体の消費できる財は果樹園の収穫分だけ増える。
 
一方、X村ではGさんに借金を返済する資産はない。Gさんは村長の特権で、村人から税金を徴収し、Hさんに返済することはできる。しかし村人の間でゼロサムの所得移転が起こるだけで、果樹園を開いたY村のように付加価値の増加は起こらない。
 
当然のことだが、経済が豊かになるためには、現在の貯蓄は将来の付加価値を生み出す投資に回らなくてはならない。反対に政府の赤字国債に吸収され、消費されるだけなら、将来の付加価値は増えない。
 
赤字国債を発行すると政府のバランスシートの負債側には「国債発行残高」が増えるが、政府の資産側には負債に見合う資産は何もない(建設国債の場合は公共事業による建設物が資産として生まれる。ただし日本で急増しているのは赤字国債である。) 
 
今日の日本の家計、民間企業、政府、海外の4部門の資金バランス(フロー)を見てみよう。1980年代まで家計貯蓄は民間企業部門の投資超過に吸収され、設備投資に向けられていた。ところが90年代後半以降は企業部門が貯蓄超過に転じ、家計と企業の貯蓄超過は政府部門の赤字に吸収されている。
 
つまりこれは果樹園の開墾が行われずに、村長のGさんがH’さんから借金して宴会しているX村の構図と同じだ。 
 
「需要が増えないのだから投資も増やせない」と思う方が多いだろう。本当にそうか。キャッシュフローが増えても内部留保を増やす(借金があれば返済する)ばかりで、技術開発など将来に向けた投資や人員を削減している「縮み志向」の企業は多くないだろうか。
 
社会資本を見れば、様々な公共インフラの老朽化が進み、潜在的な更新需要は増えている。政府も企業、家計も縮み志向のために「需要減→生産減→投資減」を自己実現しているのではなかろうか。今の日本に必要なのは広義の「投資需要」の喚起なのだ。
 
民間の貯蓄が将来の経済的な富の増進に繋がるインフラ、技術開発、教育などに向かうように流れを変えることができなければ、21世紀中葉の日本は豊かさを維持できないだろう。
*****
 
追記:12月10日 関連して伊藤元重教授の本日の論考を掲載しておきます。
 
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以前も書いたが、私は接戦ながらオバマ大統領の再選を予想しているが、その可能性が濃厚になってきたと感じている。
そう感じさせる事情を幾つか示しておこう。
 
1、選挙の世論調査は沢山行なわれているが、調査によってばらつきがあり、ひとつひとつ見ていたのでは撹乱されるばかりだ。以下のサイトは主要な世論調査を網羅して、その分布の平均的な状態を示してくれている。これを見ると8月下旬からオバマのロムニーに対する優位が広がっている。
 
2、ご承知の通り大統領選挙は州別の「選挙人数」の取り合いなので、2000年のブッシュvsゴアの時のように全米での得票数では僅差ながらゴアが勝っても、州別の取り合いの結果、ブッシュが勝ったというようなことが起こりる。
そこで焦点は接戦州の帰趨だ。それでも以下の記事の報じるようにオバマが一歩リードしているようだ。
Obama holds leads in three key states.
 
 
3,JETROのレポート(New American Policy Sept.13)は上記のような情勢を以下のようにまとめている。
「オバマ選挙本部の判断で2012年の選挙でロムニー共和党候補に対してオバマ大統領を有利にしているのは選挙人制度を基盤とする州別の趨勢で、要は次のようである。

オバマ大統領は2008年の選挙で獲得した州のうち、今年はどちらに動くか分からない11州があるが、そのうちフロリダ以外のいくつかの州で勝ちさえすれば、これら州の中で選挙人数が29人で最大のフロリダ州を失っても勝利となる。
逆に、ロムニー候補は仮にフロリダ州を獲得できなければ、残りの10州を全て獲得しなければ勝利が困難になる。」
 
大統領選挙の帰趨を決す最後の勝負は毎度TV討論だ。演説、討議の上手さは私はオバマがロムニーに対して一枚上手だと思っている。TV討論が最後の決め手になるだろう。
 
弊著「ラーメン屋vsマクドナルド」(新潮新書、2008年)に1章当てて書いたことだが、米国で保守派が大統領選挙で勝つ時は、国外の敵の脅威、減税、保守派の価値観(銃、中絶禁止、同性愛忌避)の保守3点セットで求心力が保守派に働くことが大切な条件になる。 
 
しかし今回はそうした情勢にない。ロムニーが価値観では保守と言うよりは中道に近いことも弱点になっている。国外に脅威になる敵もいない。保守派の求心力が固まる情勢ではないね。
 
追記:ロムニー、失言も目立つね↓
 
 
 
竹中正治HP
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先日のミット・ロムニーの共和党での大統領候補演説で、増税せず、歳出削減で財政赤字を削減しながら、4年間で1200万人の新規雇用創出は非現実的だとコメントした。さて、オバマはどう言うか?
 
昨日はオバマ大統領の再選を向けた候補指名演説があった。以下のサイトでフルテキストが読める。
 
オバマ大統領が演説の中で雇用について具体的に数字で語っているのは、以下の通り。
We can help big factories and small businesses double their exports, and if we choose
this path, we can create a million new manufacturing jobs in the next four years.
(製造業で4年間で100万人)
 
If you choose this path, we can cut our oil imports in half by 2020 and support more
than 600,000 new jobs in natural gas alone.
(天然ガスで2020年までの8年間で60万人)
 
Help me recruit 100,000 math and science teachers in the next ten years, and improve
early childhood education.
10年間で理科系、数学系の先生を10万人)
 
Help give two million workers the chance to learn skills at their community college that
will lead directly to a job. (200万人のカレッジスクールでの再教育、これは雇用ではなく、雇用に向けた再教育)
 
4年間で1200万人とぶちあげたロムニーの空想的なでっちあげに比べれば、とても控えめで、現実的というべきか。
 
問題は米国の人口は3.1億人で、人口は年率約1%、生産年齢人口は約0.5%毎年増えているということだ。つまり年間155万人の新規雇用増がないと、失業率は低下しない。 だから上記の雇用増の数字では全然帳尻がつかない(足りない)。
 
オバマの雇用に関する上記の数字も、「たとえばこんなことをするよ」と言っているだけで、経済全体の雇用増の規模はコミットしていないと理解すべきだろう。政権を担当してみて、バブル崩壊後の雇用増加がいかに難題か分かった結果だとも言えようか。
 
さて日本の民主党は次回の総選挙のマニフェストはどんなものにするのかな?空想的なメニューがおてんこ盛りになっていた2009年のマニフェストとは様変わりにしぶくなるんだろうな。まさか学習効果が働かないなんてことは、ないよね・・・・・(^_^;)
 
 
竹中正治HP
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共和党ミット・ロムニー候補の大統領候補への指名受諾演説、以下のサイトで全文が読める。
 
私が一番気になるのは雇用・景気対策なので、その部分を以下に引用しておこう。( )の和文は私のコメント。
*****
What America needs is jobs.
Lots of jobs.
And unlike the president, I have a plan to create 12 million new jobs. It has 5 steps.
(4年間で1200万人ということですね。でかく出ましたね)
 
First, by 2020, North America will be energy independent by taking full advantage of our oil
and coal and gas and nuclear and renewables.
(新エネルギー産業のために設備投資の助成をするのなら、雇用創出効果があるだろうが、それはオバマもやっていること(あまり成功していないけど・・・))
 
Second, we will give our fellow citizens the skills they need for the jobs of today and the
careers of tomorrow. When it comes to the school your child will attend, every parent
should have a choice, and every child should have a chance.
(具体的に何をしてくれるのかわからん。雇用について労働の供給の質と需要の間にミスマッチがあるのは事実だが、教育の強化でそれを改善するには長期的時間がかかるんだが・・・)
 
Third, we will make trade work for America by forging new trade agreements. And when nations
cheat in trade, there will be unmistakable consequences.
(貿易でずるをする国に対しては報復するということらしい。中国を念頭においてるよね?(^_^;))
 
Fourth, to assure every entrepreneur and every job creator that their investments in America
will not vanish as have those in Greece, we will cut the deficit and put America on track to
a balanced budget.
(アメリカに投資する者が消えてしまわないように財政赤字を削減するとのことだが、増税しないまま赤字を削減するなら歳出削減しかない。米国も長期的に財政再建が必要なことは異論がないが、それによる有効需要縮小の短期・中期の効果は間違いなく雇用縮小・景気抑制だ。その点どう考えているのか全く不明)
 
And fifth, we will champion SMALL businesses, America’s engine of job growth. That means
reducing taxes on business, not raising them. It means simplifying and modernizing the
regulations that hurt small business the most. And it means that we must rein in the
skyrocketing cost of healthcare by repealing and replacing Obamacare.
(法人に対して減税をするのはけっこうだが、4の財政赤字削減とどう両立するのか不明。規制緩和もけっこうだが、それだけで投資と雇用が十分に伸びるなら、政策的な苦労はない。)
 
私の結論としては、長期的に財政再建の計画は必要だが、事実上の逆累進課税と言える米国税制現状(ブッシュ減税のこと)を改善せずに(つまり日本とはケタ違いの富裕層への増税をせずに)財政赤字を短期・中期のタイムスパンで縮小させるなら、それは大幅な歳出削減しかない。その効果は間違いなく有効需要の削減による景気抑制・雇用減少という「ケインズ効果」であり、逆ケインズ効果ではない。
 
私は僅差でオバマ再選を予想しているが、ロムニーが大統領になれば、米国の景気回復のとん挫・景気後退は避けられないと思う。その必然的な結果は、2014年の中間選挙での共和党の大敗だろう。
 
竹中正治HP
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本日の日経新聞、経済教室に掲載された鈴木亘教授(学習院大学)の論考は、現在の世代間賦課方式による公的年金制度は、世代間格差を拡大するばかりで、このままでは持続不可能であり、積立方式への超長期的な移行を主張するものだ。
やはりこうした事実には目をそむけずに向き合っておこう。
 
引用:
「年金財政はもはや崖っぷちの状態にある。厚生年金と国民年金を合計した積立金の推移をみると、5年前の2006年度末に165.6兆円あった積立金は、11年度末には125.7兆円まで取り崩されている(図参照)。もし今のペースで積立金の取り崩しが続けば、28年ごろには枯渇する。
 
筆者の推計では、厚生・共済・国民年金を合わせた公的年金全体で750兆円の「債務超過」に陥っている。この莫大な債務を、今の若者世代やこれから生まれる将来世代に強制的に背負わせている「世代間格差」こそが、現在の年金問題の本質だ。
それでは、どのような抜本改革が必要か。筆者は「年金清算事業団創設による積み立て方式移行」こそが真の問題解決方法だと考える。積み立て方式とは、若いころに納付した保険料を積み立て、老後にそれを取り崩して年金を受け取る方式だ。」
 
しかし、世代間賦課方式から積立方式への移行は、移行期に莫大な負債が生じる。なぜならば、移行によってすでに「もらい得」している高齢者の給付原資が宙に浮いてしまうからだ。そこで鈴木教授は次のような対策を提案している。竹中
 
消費税引き上げ(物価スライドの反映なし)や年金課税強化をすれば、高齢者世代に負担を求められる。さらに彼ら(高齢者)が亡くなってから、その相続資産に一律課税する「年金目的の新型相続税」を創設してはどうか。高齢者世代は、若者世代が負担をしていることで、過去に支払った保険料をはるかに上回る年金を受け取り、相続資産を残せるわけだから、若者世代のために相続資産の一部を返却するという考え方は合理的だ。
それでも不足する債務処理の財源として、遠い将来の世代まで薄く広く負担する「年金目的の追加所得税」を創設する。国が設立した年金清算事業団は倒産することはないから、100年でも150年でも債務を背負い続け、将来世代にわたり少しずつ債務を返却する計画が立てられる。」
 
http://www.nikkei.com/content/pic/20120719/96959996889DE6E1EAE4EBE1E6E2E3EAE2E5E0E2E3E09997EAE2E2E2-DSKDZO4386939018072012KE8000-PN1-4.jpg
 
相続税を引き上げるのは、ひとつのオプションだが、中小企業経営者などの相続資産は経営する会社への出資金、株式だから、高い相続税率は事業継承を困難にする問題を生む。その点をどのように対応するか問われる。
 
また相続税を高くすると、「それなら相続せずに生きている間に使っちゃおう」ということで、シニア消費が増えるかもしれないね。まあ、それは有効需要の増加ということで良いだろう。
 
いずれにせよ、ひとつの税項目だけで不足を補うのは不可能だろう。給付の削減、消費税を含む各種増税は不可避だと思う。
 
 
竹中正治HP
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なんだか今日4月21日の日経新聞記事は妙にコメントしたくなる記事が3件、以下の通り。
 
1、日本の大学教育
アメリカの高等教育も様々な問題をかかえており、理想視する気は毛頭ないが、日本の現状に対する指摘としては妥当だと思う。

引用:
... 「在日米国商工会議所のブライアン・ノートン氏は「日本企業の競争力低下の原因は人材、特に文系人材の劣化だ。その責任は大学にある」と言い切る。 「米国の大学は論理的な思考力や分析力を徹底的に鍛えるが、日本では塾のように知識を教えるだけ。グローバルビジネスに最も必要な能力を学ばせていない」と日本の文系教育を批判する。」

「考える知的技法」これを伝えたいと思って私は教壇に立つ。簡単じゃないけどね。
 
アメリカの大学についてもコメントすると、たとえば経営学、経営のための「知的技法」がマニュアル化されていて、それを身につけると皆ステレオタイプのソリューションを生む出すようになる。 オリジナルな発想を生み出す知的技法というのは、結局学生が受動的な講義では教えることはできない。自分でつかみとるしかないんだ。それができるようになる諸君は少数。
 
2、尖閣諸島
引用:
「民主党の前原誠司政調会長は20日、都内で講演し東京都の石原慎太郎知事が沖縄県の尖閣諸島(石垣市)を都の予算で買い取る意向を示したことに関して「もし買うのであれば、国が買って実効支配を続けないといけない」と語った。「東京都が所有するのは筋違いだ」とも指摘した」

「国が買うならそれでいいよ、さっさとやりな」というのが石原さんの腹の内ではなかろうか。
一方、前原さんは、石原さんの術中に落ちた様に見せながら、実は自分でもそうすべきだと考えていたことを実現しようとしているのかもしれない。 もっとも民主党政権が契約時まで存続できるかは別の話だが。
 
3、ワシントンポストが
引用:
「米紙ワシントン・ポスト(電子版)は19日、野田佳彦首相へのインタビューに関連した「日本は難しい決断ができるか」と題した記事で、首相を「ここ数年のリーダーで最も賢明だ」と評価した。」
 
「野田首相はここ数年のリーダーで最も賢明だ」=「小泉首相の後はダメ&バカ首相ばかりだった。野田はマシな方」
ま、上品な新聞としては左の表現になりますね。夕刊フジ調なら右の表現
 
 
竹中正治HP
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