たけなかまさはるブログ

Yahooブログから2019年8月に引っ越しました。

カテゴリ: 経済

ダイヤモンドオンラインへの寄稿です。11月7日朝、掲載されました。

短期・中期はベアー、長期はブルの見通しです。

日経平均は2020年代に3万円回復か、長期右肩上がりトレンド復活の現実味
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引用:「今回は、次期景気後退期を超えて長期的に日本株がどの程度上昇するか、もっと具体的に言うと例えば日経平均で3万円という水準にいつ頃到達しそうか考えてみよう。」

「筆者は日本のバブル崩壊とその損失処理は2003年3月決算でおおむね終わったと考えており、それ以降は「ポストバブル損失時代」だ。そして日本株も企業利益、さらには経済成長に見合った穏やかながらも右肩上がりのトレンドの回復が期待できるのではないかと考えるに至った。では、どの程度の伸び率(リターン)が期待できるのだろうか・・・」


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竹中正治ホームページ:http://masaharu-takenaka.jp/
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ダイヤモンドオンラインへの寄稿です。今朝掲載されました。

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冒頭部分引用:「米国経済の景気がピークアウトしつつあることを示唆する経済指標が出始めているにもかかわらず、7月末の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げが行われるという金融緩和期待で米国株価は高値を更新した。 

 株価の変化は景気の変化を先取りすることもあるが、逆に遅行することもある。その例として、リーマンショック前の2007年の展開を想起しておくべきだろう。

 その年の夏、すでに住宅ローンの証券化債券などに投資していたパリバ銀行系のヘッジファンドが行き詰まり、「サブプライム危機」の言葉がすでに市場ではキーワードになっていた。ところが、米連邦準備理事会(FRB)による8月の0.5%の政策金利引き下げを好感して、株価は上昇し、高値を付けたのは10月だった。その後、翌2008年のリーマンショックに至る展開はご承知の通りである。

 筆者は昨年1月に米系メディアのコラムで、「米国の次の景気後退が始まるのは2020年前後1年」と予想したが、その基本認識は今も変わっていない。ただし、2019年中の景気後退の可能性は遠のき、2020年中の可能性が一層高くなったと考えている。景気後退に伴って株価も大幅な下落に転じるだろう。そう考える理由と覚悟すべき下げ幅について説明しよう・・・」

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ダイヤモンドオンラインに今朝、論考が掲載されました。

冒頭引用:「海外経済の失速を背景に日本経済が景気後退に向かう可能性が高まっている。ところが、日本の金融政策は2013年以来の超金融緩和の効果が出尽くし、次期景気後退期に打つ手がない。

 日銀としては「万策尽きている」とは言えないだろうが、金融政策としてできることはほぼやり尽くしている。そのため財政政策に目が向き、10月の消費税引き上げ延期も議論される状況になっている。

 一方、米国ではゼロ金利と量的金融緩和終了後、米連邦準備理事会(FRB)のバランスシート調整は途上であるものの、政策金利は2.25~2.50%まで上げることができたので、金利引き下げという伝統的な金融政策の発動余地がある。

 日本はどうしたら良いのか。その原因と私の考える最終的な処方箋を説明しよう・・・

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厚生労働省の給与統計データ(毎勤統計)は、厚生省の不適正統計作業ですっかりケチがついてしまったので、国税庁のデータで見てみよう。

徴税に基づくデータなので年一回、しかも遅いので直近で2017年までのデータしかないのだが、2013年以降の平均民間給与伸び率は名目で見ても、実質で見ても、19912012年の年率平均値(名目-0.17%、実質-0.28%)を明瞭に上回っている(名目+1.16%、実質+0.55%)。実質調整は消費者物価指数(総合)を使用している。
 
ちなみに198090年の実質平均民間給与伸び率は1.18%だったから、2013年以降との差は0.63%、まあ、それほど大きな差ではないんだよね。
 
それでも80年台と富裕感が違って「実感がわかない」とか言われる理由は? 
①株価、不動産などの資産価格が80年台はぎんぎんに右肩上がりだった。
85年から95年まで急速な円高で海外旅行すると海外での買い物が安く感じられた。
③年功序列の賃金体系の中で若い時は給料安くてもやがて給与が上がると言う「右肩上がり期待」があった。
80年台までは中国など周辺国が相対的に貧しかった。
80年台は平均インフレ率が2.7%もあったので、そのことによる貨幣錯覚があった・・・・などではないかな。



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以下の東洋大の一件については、私はあまり関心がないのだが、問題の学生君が竹中平蔵氏をもの凄く批判する理由について、その発言が引用されている。

引用1:「東洋大学白山キャンパス(東京都文京区)に立て看板を設置し、ビラをまき始めた学生が『退学を勧告された』事件について、当学生の船橋秀人(ふなばし・しゅうと)さん(23)に26日、話を聞いた。」
https://www.data-max.co.jp/article/27769/?fbclid=IwAR0dYLvvaOPHdhvQlr2PG9J79glMW-oCvwsMbnwTMbqSVEORke62akHUtRA
 
引用2:「竹中(平蔵)さんのことは、予備校時代に知った。2003年の労働者派遣法の改正を主導し、非正規雇用の労働者をこれほどまでに増やした。」
 
2003年の労働者派遣法の改正については以下参照。

「小泉政権・竹中平蔵大臣が労働者派遣法の変更で非正規雇用者を大幅に増やした」という批判は、この学生に限らず左翼系の方々の間で広く判を押したように共有されている認識の様だ。しかし控えめに言っても針小棒大な勘違いであり、はっきり言えばどこかの左派政党のアジビラなどをデータの検証もなしに鵜呑みにしている結果だ。
 
竹中平蔵氏は私の兄でもないし、親戚筋でもないが、事実に反するトンデモ論が横行するのは気味が悪いので手短に事実だけ指摘しておこう。
 
事実は以下の通り。

図表1:対象となる労働者派遣事業所の派遣社員数は非正規雇用全体の6%でしかない。
 
図表2:非正規雇用比率の上昇は、1990年代から民主党政権時代を通じて上昇して来た。
  それが上げ止まって37~38%でフラットの推移になったのは安倍政権下2014年以降だ。

図表3:非正規雇用が増える一方、正規雇用は長期的に減る一方のようなイメージを語る人が少なくないが、実は正規雇用総数は長期で見ると3千数百万人前後で比較的安定している。
生産年齢人口の減少にもかかわらず正規雇用が安定しているため、25歳~64歳の人口に対する同年齢の正規雇用者数の比率は上昇している。この点は以下論考参照。
 
図表4:2003年の労働者派遣法の改訂以降(施行は翌年3月から)の非正規雇用者の増加全体に占める派遣社員カテゴリーの増加の寄与度は12%に過ぎない。

また第2次安倍政権期の雇用者の増加は468万人(正規雇用161万人、非正規雇用306万人、増加した非正規の大半は女性と65歳以上高齢層)、一方民主党政権期の雇用者の増加は48万人、しかも正規雇用は50万人の減少、非正規は98万人の増加だ。
 
最近、安倍首相が「民主党政権期の悪夢」と語ったことが話題になった。安倍首相が何をもって悪夢と言ったのかは私にはわからないが、リーマンショック後の景気回復期にスタートした政権であるにもかかわらず、その雇用に関する成果は確かに悪夢だったと言って良いだろう。

なお、非正規雇用の長期的な増加要因は90年代に起こった日本の労働市場の構造変化によるもので、日本の労働経済学者の間で概ね見解の一致があるようだ。私にとっては専門外だが、過去の論考の中で説明して来たことなので、ここでは省略させて頂く。

図表1
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図表2
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図表3
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図表4
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以上


追加図表:一人当たり実質GDP成長率の主要国比較
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講談社、現代ビジネス、マネー現代、今朝掲載されました。

「リーマン級の株価下落で、公的年金の評価損は「40兆円」を超える
それでも長期分散投資を続けるべき理由」

引用:「事前に単年度でどれほどの評価損が生じ得るか試算を示そう。その上で、公的年金の積立金が外国株を含むリスク性資産を保有することには、単に長期的なリターンを向上させる以上の意味があることをご説明しよう・・・」


週刊エコノミスト「世界経済2019総予測」12月25日発売(2019年1月1日&8日合併号)に、米国経済の見通しについて寄稿しています。以下、字数の制約で掲載できなかった図表も含めて図表中心に掲載しておきます。本文は雑誌をご覧ください。

page 32-33
クレジットサイクル観点から、2009年を底に始まった米国の景気回復過程が最終局面に近いことを示す図1
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家計部門は2008年前のような過剰債務には傾いていないことを示す図表(本誌非掲載)
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図2、OECD Leading Indicator、米国、中国、OECD全体
中国の景気循環がOECD全体の循環に3カ月から6か月先行していることに注意
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次期景気後退の先行シグナルとして注目される長短金利差に関する図(非掲載)

引用:これら3通りの長短金利差についてFRBがデータを開示している1976年以降で検証すると、景気後退期は5回起こり、長短金利逆転は6回起こった。つまり1回、98年に起こった長短金利差逆転はそのまま景気後退に至らず、シグナルとしてはダマシだった。
 また長短金利差逆転が起こってから景気後退が始まるまでの平均月数は、①14か月、②16か月、③16か月とかなり時間がある。本稿執筆時点では長短金利差逆転は、③の5年物と2年物利回りでしか生じていないが、近々にあと2つの長短金利格差も逆転すると仮定しても、景気後退が始まるのは2020年の可能性が高いということになる。」

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以上




米国の超短金利差(5年物と2年物の財務省証券利回りが直近で僅かに逆転)したので「もう来年は景気後退か。株価は高値を見てしまったぁ!」というような雰囲気が広がっている。

私も長短金利差が次期の景気後退のシグナルになると書いてきたので、大局的な流れはそういう方向とは思っているが、直近の市場の雰囲気はちょっと気が早すぎるのではないかな。

株価の短期的な変動には下げだけでなく、まだけっこう上下動があると思っていた方が良いのではないかな。
 
FRBが開示している金利データ(FF金利と財務省証券利回り)で1976年まで遡って検証すると、景気後退期は5回あり(NBER景気判断)、長短金利逆転は6回ある(つまり1回、98年の逆転はダマシだった)。 以下掲載竹中作成図表参照

長短金利差として、①10年物-FF金利、②10年物-2年物、③5年物-2年物の3つで見ると、金利差逆転が起こってから景気後退が始まるまでの平均月数は、①14か月、②16か月、③16か月でとけっこう時間がある。つまり景気後退が始まるのは2020年の可能性が高いね。

もっともほとんどの株式投資家は気が早いのが行動特性だから、「もう高値は見てしまった。売りだ!」と反応するのは自然かもしれない。景気後退より前に株価が下げに転じるのが先であることも多い。

だけど、ベアー一辺倒で突っ込むと、短期的にはショートカバーを強いられる局面が来年ありそうな感じがする。もちろん、そこは売りだよということでもあるけどね。


参考論考、2018年1月のロイターコラム

http://masaharu-takenaka.jp/index.html  ホームページ

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現代ビジネスへの寄稿、掲載されました。


冒頭部分引用:「2013年以降、企業利益は過去最高の更新を続け、雇用数は増加し、失業率は2%台まで下がった。これ以上はないほどの好結果だ。ところが、消費者物価指数で前年比2%という物価目標は大幅に未達で、残念ながら今の金融政策は半分空回り状態だ(図表1参照)。
何が問題なのか、どういう選択肢があるのか、整理してみよう・・・」

 

Why is the center-left receding worldwide?
The Japan Timesに初寄稿しました。以下URL

以下に日本語版を掲載しておきます。


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なぜ中道左派は世界的に退潮しているのか 


世界的な中道左派政党の退潮


 日本では中道左派と目された民主党政権から自民党と公明党の連立による安倍内閣に換わって6年目となった。その間、旧民主党は党勢を立て直すどころか分裂し、左派の中核的なメンバーは現在、立憲民主党に集結しているが、支持率は自民党の2割前後の水準で低迷している。


 米国では今年11月の中間選挙で民主党が下院の過半数を取る可能性が高いと言われているが、ポリティカル・コレクトネスをことごとく破りながら当選した共和党トランプ大統領の再選を阻止できるほどの大統領候補を見いだせていない。 欧州各国でも中道左派としての社会民主勢力は退潮が目立ち、党勢を拡大しているのは極右勢力だ。 


その一方で、日米欧とも所得格差の拡大が指摘されている。所得格差を縮小するための所得再分配政策は、もともと左派が重視するものだった。それならば、中道左派にもっと政治的な支持が集まりそうである。ところが事態は反対で、中道左派が退潮しているのはなぜだろうか。もちろん各国各党固有の事情があるのだが、個別事情の違いを越えた共通の政治経済的な背景があるように思える。この問題に対する筆者の説明を提示しよう。 


エレファント・カーブが表す世界経済の構造変化


 第1は「エレファント・カーブ(象の鼻)」と呼ばれる世界経済の構造変化だ。これは代表的には米国のエコノミスト、ブランコ・ミラノビッチが提唱した世界の所得分布の変化である。経済のグローバル化が進んだ90年代以降、新興国の富裕層、中間層の所得の増加が急速に進んだ。その一方、先進国では富裕層が所得と資産を伸ばしたが、中間層以下の所得は停滞した。


これを家計の所得水準を横軸、同所得伸び率を縦軸にしたグラフに表すと、象を横から見た姿に見える。つまり最も所得水準の高い右端の持ち上がった象の鼻先は先進国の富裕層が大半を占め、下がった鼻の付け根は先進国の中間層以下、そして盛り上がった頭部は新興国の所得上位層という形になる。


こうした状況下、先進国の中間層を中心に、中国をはじめ新興国経済の台頭や移民労働者の増加に脅威を感じる人々が増えた。それがナショナリズムと重なり、移民への敵視や対外的な保護主義の声が高まっている。これがいわゆるポピュリズムの動きである。


ところが伝統的な中道左派は、民族、人種、宗教、性別の違いで人が差別されることを否定し、多様性に対して寛容なリベラルな精神を尊重して来たので、そうした移民に対する排外主義的な動きと相性が悪い。その傾向が典型的に現れているのが米国だ。


もっとも全ての国の左派が移民に寛容というほど現実の構図は単純ではなく、欧州では左派が厄介な移民・難民問題に沈黙している場合も少なくないようだ。それでも国内の不満層の支持は、安全保障や経済面での対外的な脅威論の台頭を背景に、中道左派政党よりも右の政党に傾斜している様に見える。 


現実社会のリベラル化


 中道左派退潮の第2の事情は、戦後の世界を振り返ると、先進国を中心に民族、人種、宗教、性別などで差別することを否定するリベラルな価値観が、法制度や社会の慣行として広がってきたことだ。その結果、実に皮肉なことに「リベラルである」というだけでは、先鋭的でも挑戦的でもなくなってしまった。


かつて社会に非リベラルな法制や慣行がはびこっていた時代には、既存の大人社会にそのまま順応することを潔しとしない若者層にとって、左派のリベラルな主張は抗議するための理論的な武器となった。ところが現実社会のリベラル化が進むにつれて、皮肉にも左派の主張は若者層を惹き付ける力を弱めてしまったのではなかろうか。


しかもマルクス主義の流れを汲む西側諸国の最左派は、ソ連崩壊と中国の国家資本主義経済化によってほとんど解体した。1970年代頃までは日本や西欧にあった「資本主義対社会主義」の体制選択という包括的なビジョンを左派は喪失してしまった。すなわち中道左派は、社会主義・共産主義という最左派の極を失うと同時に、現実社会のリベラル化で右への対抗軸もぼやけてしまったのだ。 


政治的な不安定性の高まり


 もっとも極右やポピュリズムが台頭する今日の状況は中道右派にとっても脅威である。日本では無党派層が圧倒的に増加し、米国では共和党の本流からは完全に異質なトランプ大統領が登場し、共和党中道派に動揺と反発が起こった。英国ではまさかのEU離脱が国民投票で多数を占めた。先進国の諸政党は左右ともに政治的な新しい軸を求めて混沌の時代に突入していると言えるだろう。


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