日本に限らず世界は原発推進派と反対派に分かれて、ほとんでイデオロギー闘争と呼べるような対決議論を展開してきたから、今回の福島原発の事故のようなことが起こると一気に反対派は原発否定のキャンペーンを強める。「原発の技術自体が不完全で不安定なものだ」という主張が全面に出てくる。
 
この点で今週号(4月19日)の週刊エコノミストで橘川武郎教授(一橋大学大学院商学研究科)が冷静な指摘をしている。以下引用
 
「(福島第1原発と)同様に東日本大震災に伴う大津波に直面しながら、東北電力女川原子力発電所は基本的に安全停止し、一時的には地元住民の避難場所にまでなった。(中略) 福島第1原発と女川原発の命運を分けたのは、津波対策の違いであったと思われる。 女川原発では(中略)津波への強い危機感を持ち続けて来た。それが、平均潮位より14.8メートル高い位置に建設した女川原発と最大5.7メートルの津波を想定した対策しか施さなかった福島第1原発の違いとなって表れ、両者の命運を分けた。」
 
原発の原子炉と構造物はM9の超巨大地震にも耐えたと言う点も評価すべきだろう。
問題は技術ではなく、技術を使う人間、組織にあると言える。
 
ちなみに女川原発の位置は以下の全国原発マップを見て頂きたい。
また、静岡の浜岡原発(中部電力)は、東海、東南海沖地震で津波が想定されるが、どのような対策になっているのだろうか?
 原発マップ