昨日大阪梅田の龍谷大学キャンパスで一般人向けの公開講座を行った。
梅田のヒルトンプラザ・ウエストのビル、14階を大学がセミナー会場や学生諸君の就職活動の拠点として運営しているのが「龍谷大学梅田キャンパス」だ。大坂駅の駅ビルも長く工事中だったが、完成してすっかり綺麗になった。
 
今回の公開講座は、大学の経済学部50周年の記念事業の一環として、一般社会人向けに何人かの先生方が担当し、それぞれ専門、得意分野のテーマで講演するものだ。私は「賢い資産運用の秘訣」という題目でお得意の外貨投資から投資信託、ETFの話まで展開した。
 
講演の内容は以下のホームページに資料をpdfにして張り付けておいたので、ご関心のある方はご覧頂きたい。
 
60余名ほどの方がお集まり頂いた。年齢層は50歳代から60歳代で、日本でもっとも金融資産を持っている年齢層だ。
 
個人投資家の方々を対象に講演する時はいつも冒頭でお尋ねして、挙手でお答え頂くのだが、「高金利の外貨債券に投資する投資信託を買われた経験のある方、手を上げてください」というと過半の方の手が上がる。「それで損された方、手を上げてください」というと、ほとんどの人が損をしている。 
 
また、「FXトレーディングをされたことのある方?」と尋ねると、2、3名しかいない。FXトレーディングの年齢層は相対的に若く、20歳台から40歳代である。
 
株式への投資はほとんどの方がやっているが、インターネットを使ったオンライン証券を利用している方は数名と少ない。ほんとんどの方は証券会社に電話、あるいは店頭で売買をしている。これは50歳代以上の特徴で、40歳代以下だとインターネット利用者の比率がもっと高くなる。
 
中高年でもインターネットを使いこなしている方々は、もちろんいるのだが、大雑把に括ると、50歳前後に一種の分水嶺があり、それより年齢の高い層では投資についてもインターネットの利用頻度は大きく低下する。
 
私の講演はかなり受けたようで、最後に20分ほど時間を取って質問を受け付けたところ、5,6名の方々から次々と質問があって、私自身も面白かった。みなさん、金融機関の営業にはなんらかの不満を感じている。だから、金融機関の営業、推奨商品がなぜ間違った選択なのか、にもかかわらず彼らはなぜそれを推奨するのか、正しい長期・分散の外貨投資とは何を買うべきなのか、など大胆・明瞭に語ると反応がとても良い。
 
そりゃあそうだろう。大学で金融論や現代投資理論を専門にしている先生方は、金融投資ビジネスの実態を知らない。一方で、金融機関に所属しているエコノミストやアナリストは所属機関にとって「不都合な真実」を語ることはできない。フリーの評論家やFPだって、金融機関の講演会に招へいされたり、寄稿したりしてやっている方々は、「不都合な真実」には口を閉ざす。
もっとも中には、都合のよい虚構を語っているうちに、自分自身でその虚構を信じてしまっている方々も多いのだが・・・。