「民主党よ潔く分裂して出直せ」これは昨年暮れに日経ビジネスオンラインに書いた論考のタイトルだ。
 
いよいよ自民党が中心になって菅内閣に内閣不信任案を出すそうだが(早ければ6月1日?)、小沢さんらの派は「否決投票」しない方向で動いているという。不信任案が過半数をとれるかどうか、微妙だが、本当に小沢派が分派行動に出れば、民主党は事実上分裂することになる。
 
小沢派の本音は分派せずに、菅内閣から「大きな妥協(菅首相辞任?)」を引き出すことにあるのかもしれないが、菅首相は妥協しそうにないから、その場合は分派となる。
 
考えられるシナリオは
1、小沢派が分派せずにホコをおさめる(ここまで来てそれはもうできないのでは?)
2、分派行動するが、内閣不信任案成立に必要な衆院過半数に達しない。
→ 2-1、小沢派は分派、脱党する。
   2-2、小沢派は党内にとどまり、なんらかの妥協が成立する(それはいくらなんでもないだろう)
3、小沢派の分派行動で内閣不信任成立(やはり民主党は分裂する)
→ 3-1、菅首相は衆院解散、総選挙
   3-2、内閣交代で切り抜ける(でも小沢派が脱党して議席を減らした民主党に衆院を仕切る力は
      もうないだろう。だから遠からず解散総選挙か)
4、内閣不信任案の可決の可否にかかわらず、小沢派が民主党を出た後、自民党&公明党と残存民主党の間に連立が成立する(連立の条件として民主党は2009年マニフェストの撤回をのむ)
 
こう考えると、小沢派が内閣不信任案に関して分派行動に出る限り、総選挙か、あるいは残存民主と自民&公明で連立というシナリオしかなさそうな気がする。 「今は総選挙やっている場合じゃない、震災復興で目先2年間ほど連立しましょう」というのはかなり受け入れられる選択肢ではなかろうか。
 
私が最も嫌な展開は、分派した小沢派に自民党が近寄って、連立を志向することだ。いくらなんでも、政治的にも政策的に無節操すぎるだろ。自民党も民主党も本当に政治理念(ビジョン)を軸にした政党に再編できるかどうか、それが問われているだと思う。
 
追記(2011年6月10日)
幻と化した「菅・小沢抜き大連立」
本日の日経新聞web版「菅・小沢抜き大連立」
私もこの記事に書かれているシナリオに近いものを期待していたのですが、頓挫しましたね。