日曜日の昨晩、夕刻に映画「パイレーツ・オブ・カリビアン、 命の泉(Pirates of the Caribbean, The
Fountain of Youth)を見た。第1作めから数えてパート4であるが、新シリーズの第1作めでもあるようだ。http://www.disney.co.jp/pirates/home.html
世界のどこかにあるという「命の泉」、その泉の水を2つの聖なる杯に注ぎ、片方の杯に人魚の涙を1滴加えて、それぞれを二人の人間が飲むと、人魚の涙の入っていない水を飲んだ人は絶命し、その人の生涯の命ぶんだけ、涙を加えた水を飲んだ人の寿命が延びるという・・・・。
ん・・・逆だったけな? そうそう、主人公のジャック・スパローもどっちがどっちだか混乱し・・・というとろこで、まだ見ていない人のために、ネタは明かさないでおこう。
で、映画を見て帰ってきたら、夜9時からのNHKスペシャルで「あなたの寿命は伸ばせる~発見!長寿遺伝子~」という番組をやっていた。http://www.nhk.or.jp/special/onair/110612.html
吸いつけられるように見た。
偶然にしちゃあ、あまりにもでき過ぎているじゃないか。映画で「命の泉」の後に「発見、長寿遺伝子」だなんて。
NHKのこの番組、ご覧になった方は少なくないだろう。えっ、見ていない!そりゃ人生最大の不覚かもしれないよ。
老化を抑制し、若々しさを保ちながら、30%も寿命を伸ばせる鍵を人類の科学は手に入れる寸前のところまできているのだからね。
いや、既にその手法は解明されている。カロリーを30%ほど抑えた食事を続けるだけで、長寿遺伝子
Sirtuinが働きだし、細胞内のミトコンドリアを活性化し、ミトコンドリアが老化すると生じる活性酸素を抑制してくれる。この活性酸素が老化現象に強く作用していることは先刻ご承知だ。
Sirtuin遺伝子は、それ以外にも血液中の免疫細胞が血管内に沈着して生じる血管の老化を防ぐなど、合計100種類もの生命の老化現象を抑制する働きをするそうだ。
ねずみの臨床実験では、カロリーを30%落とした食事を続けたネズミは、そうでない飽食・満腹ネズミよりも30%以上も寿命を延ばしたそうだ。
このSirtuin遺伝子は生物が飢餓を生き抜くため過程で、淘汰されながら進化してきたと推測されている。つまり飢餓状態を生き抜くために、エネルギー効率を高め、老廃物の蓄積を回避するなどの機能を進化させてきた。だから、カロリー30%減というダイエット・モード(つまり軽度の飢餓)が持続するとスイッチオンで働き始めるというわけ。
「老化せずに長生きしたいけど、ダイエットはつら過ぎる」という方のためには、レスベラトールという成分がSirtuin遺伝子を活性化させることまで分かっている。レスベラトールを含むサプリメントが市販されている。ただし現行のサプリメントの効能はまだ十分に検証されていないそうだ。医薬品業界はより確実にSirtuin遺伝子を働かせるレスベラトール薬剤の開発に傾注しているということだから、近い将来にはダイエットしなくても確実に長寿が実現する可能性が高まっている。
「すでに少子高齢化なのに、ますますじいさん、ばあさんが増えると言うことか。年金も医療も財政破綻するぞ」そうだね。でも、元気なじいさん、ばあさんが増えるのだから、年金支給年齢はもっと引き上げて、60、65歳で引退せずに、70、75歳まで働けばいいだけ、とも言える(税金も払ってね)。
私は肥満でもメタボでもないが、ワシントン駐在時代にダイエットで体重を71キロから3キロ減らしたことがある。日本に戻って来て、食事が美味いので71キロに戻ってしまったが、今回の番組を見て、また3キロ減を目標にダイエットすることにした。
やはり若さの持続は人間の強い願望ですからねえ。
竹中正治ホームページ
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