このブログのリピーターの方々には、既に常識化した知識だが、今日(7月4日)の日本経済新聞本紙
Monday Nikkeiの面に「長期の外貨投資、購買力平価を軸に」(田村正之編集委員)の記事が掲載された。 こういう知恵を世間一般のリテラシーとして普及させるためには、繰り返し何度も語る辛抱強さが必要だ。
私のコメントと(財)国際通貨研究所の購買力平価と為替相場のグラフも掲載されている。
「購買力平価ってなんだ(@_@)?」と思われる方は是非この機会に理解しておいて頂きたい。
私のコメントが引用されているところを含めて、記事の一部を以下に掲載しておこう。
紫色の文字が記事の引用部分。
「06年当時に著書などで「現在は円が割安で、いずれ円高への大きな戻りが来る」と警鐘を鳴らしていたのが、国際通貨研究所経済調査部長などを経て現在は龍谷大学教授の竹中正治さんだ。
判断の背景が購買力平価だった。」
おっ、誉めてくれているぞ(^^)v
「プロの間で「長期では為替は購買力平価を軸に動く」(大和総研の熊谷亮丸チーフエコノミスト)のは常識。「為替はモノとモノの交換価値なので、長期では当然インフレ率の差で決まる」(JPモルガン・チェース銀行の佐々木融・債券為替調査部長)」
確かに「常識」だ。でも2006年~07年前半の円安の時に、「円高への大きな戻りがいずれ到来する」と言った、書いた、出版した「プロ」がほとんどいなかったのは、なぜだろうか?
また、当時「グロソブ」などの外債投信を売りまくっていた資産運用会社にはプロはいなかったのだろうか? → この点については、「いなかった」が私は正解だと思う。
「現状は「ドルは購買力平価で考えても円に対しそこそこ割安」(竹中教授)だし、グラフBの実質実効レートで見ても、数年前に比べて外貨投資の危険性は相対的に高くない。」
でも短期的、中期的に70円程度まで円高に行ってしまうリスクはまだ残っている。相場とはそういうもの。
「短期~中期では高金利の通貨に資金が流れ為替も上昇しがち。「しかし通貨価値は逆に下がり続けているので、何かのショックがあったときなどにドスンと落ちて金利差が吹き飛ぶ繰り返し」(竹中教授)だった。」
相対的購買力平価:
「例えばハンバーガーの日本での価格が100円で、米国での価格が1ドルなら、1ドルと100円の購買力は等しいので、為替レートは1ドル=100円で釣り合うと考えられる。このような考え方を「絶対的購買力平価」という。英誌「エコノミスト」の「ビッグマック指数」などが有名。ただ現実には関税や輸送コストなどがかかり厳密には成り立たない。
そこで2国間のインフレ格差から為替レートを計算する方法を「相対的購買力平価」といい、実務ではこちらが使われることが多い。例えば、基準時点で1ドル=100円だったが、10年後に米国は物価が2倍になり、日本の物価は全く変化しなかった場合、ドルの価値が半分になったので、相対的な購買力平価は1ドル=50円と計算される。相対的購買力平価は何年を基準にするか、企業物価、輸出物価などどの物価を選ぶかで値が違ってくる。」
ドル円、ユーロ円、ドルユーロの3つの購買力平価グラフを掲示している(公益財団)国際通貨研究所の
サイトは以下。
竹中正治HP
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