本日8日の日本経済新聞朝刊「経済教室~超円高と日本経済」に私の論考が掲載されました。
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円高の原因の読み解き、見通しは8月に日経ビジネスオンラインに掲載された論考と基本的に同じです。
ただし字数の制約で「円高対策論」は大幅に省略せざるを得ませんでした。
 
少し舞台裏を話すと、オリジナル原稿では「政府・日銀にはデフレ・円高を抑制する市場介入とリフレ(通貨増発)政策が求められる」でしたが、編集でなぜか「リフレ」の言葉が「金融緩和」に換えられています。「リフレというのは一般にわかり難い言葉ですから・・・」ということのようですがね・・・。
 
特集タイトルはにある「超円高」、これもひっかかるな・・・名目相場で見ているから「超円高」という表現が出てくるんだが、実質で見ないと意味がないと論考で解説しているわけです。実質では行き過ぎた円高ではあるものの、超がつくほどではない。 95年の80円の時が実質では「超円高」だった。
 
ただし、今回はエレクトロニクスや自動車で日本の輸出産業と競合性の強まっている韓国ウオンが大幅に下落していることが、個別事情として輸出産業の危機感を強めているのは確かだろう。
 
タイトルは編集者が作るので私の言葉ではないですが、メッセージはラストの文章です。
「行き過ぎた円高という本来あるべき相場水準からの乖離をチャンスに変える「アニマルスピリッツ」が日本人に求められている」
 
 モーター製造の世界制覇を目指す日本電産(京都本社)永守社長が、少し前のNHK TVインタビューでこう言っていました(記憶なので正確な再表現ではありません)。
「円高で大変だって? わが社はこの1年間、円高で(利益を)100億円失ったが、その代わりに海外の企業を100億円安く買収できた。」
「海外投資を増やすと国内が空洞化する?バカ言っちゃいかん。わが社は海外での買収と並行して国内の雇用も増えている。海外で買収すればするほど、国内での技術開発や海外事業管理のための人手が増える。そういうもんだ。」
 
アニマル・スピリッツを絵に書いたような社長さんです。