以前紹介・引用した深谷さんがドル円相場の今年の予想レンジを上方修正したから、ご紹介しておこうか。
レポートは以下サイト
 
前回は今年後半に90円までの上昇あるかも・・・・と上ブレ・シナリオの可能性示唆に止まっていたが、4-6月期にも85-90円レンジへのドル上昇をメインシナリオに修正した。
 
ドルの事実上の短期ゼロ金利状態の金融政策が2014年ではなく、2013年内に前倒しで解除になるかもしれない可能性をドル金利市場は織り込み始めているが、それでも年内はそうした解除は見込まれない状態で(従ってドル短期金利の上昇が年内は見込まれない状況で)どこまでドル相場が上昇するかはちょっと微妙だと私は感じている。
 
過去の金利格差とドル円相場の相関を見ると、金利格差が変化するのに先んじて為替相場がそれを見込んで変化する傾向が見られる。そのタイムラグは概ね6か月~9カ月。だから仮に2013年後半に超低金利解除と想定しても、2012年前半時点でのドル相場の対円での目立った上昇は、やや時期尚早の感じもする。
 
しかしながら、短期・中期の相場変動は過去の平均的な傾向からのブレは大きいので、このまま4-6月には85-90円という変化も、あり得るセカンド・シナリオとして留意しておこう。
 
どっちにしろ、80円台では為替持高も米国株式残高も私は変更する気はないので、90円まで上がるのが多少早かろうが、遅かろうが、どうでもいいんだけど、短期トレードしている方々には大きな関心事でしょ。
 
 
追記:
その一方で同じクレジスイスのエコノミスト白川さんは以下のようなこと言っている。
「米国の2 月のCPI は大幅上昇を回避したが、夏場にかけて米国経済がミニ・スタグフレーションに入る可能性はそれなりに高く、注意が要る」 3月19日
 
「ミニ・スタグフレーション」という表現でどういう状態を意味しているのか、数字的な基準を示していないので、なんともあいまいだが、大げさだと思う。景気の回復過程が一本調子でなく、踊り場を含む波があるのはむしろ自然と思う。