以前も書いたが、私は接戦ながらオバマ大統領の再選を予想しているが、その可能性が濃厚になってきたと感じている。
そう感じさせる事情を幾つか示しておこう。
1、選挙の世論調査は沢山行なわれているが、調査によってばらつきがあり、ひとつひとつ見ていたのでは撹乱されるばかりだ。以下のサイトは主要な世論調査を網羅して、その分布の平均的な状態を示してくれている。これを見ると8月下旬からオバマのロムニーに対する優位が広がっている。
2、ご承知の通り大統領選挙は州別の「選挙人数」の取り合いなので、2000年のブッシュvsゴアの時のように全米での得票数では僅差ながらゴアが勝っても、州別の取り合いの結果、ブッシュが勝ったというようなことが起こりる。
そこで焦点は接戦州の帰趨だ。それでも以下の記事の報じるようにオバマが一歩リードしているようだ。
Obama holds leads in three key states.
http://online.wsj.com/article/SB10000872396390444433504577649850398690734.html?mod=WSJ_WSJ_US_News_6
3,JETROのレポート(New American Policy Sept.13)は上記のような情勢を以下のようにまとめている。
「オバマ選挙本部の判断で2012年の選挙でロムニー共和党候補に対してオバマ大統領を有利にしているのは選挙人制度を基盤とする州別の趨勢で、要は次のようである。
オバマ大統領は2008年の選挙で獲得した州のうち、今年はどちらに動くか分からない11州があるが、そのうちフロリダ以外のいくつかの州で勝ちさえすれば、これら州の中で選挙人数が29人で最大のフロリダ州を失っても勝利となる。
逆に、ロムニー候補は仮にフロリダ州を獲得できなければ、残りの10州を全て獲得しなければ勝利が困難になる。」
大統領選挙の帰趨を決す最後の勝負は毎度TV討論だ。演説、討議の上手さは私はオバマがロムニーに対して一枚上手だと思っている。TV討論が最後の決め手になるだろう。
弊著「ラーメン屋vsマクドナルド」(新潮新書、2008年)に1章当てて書いたことだが、米国で保守派が大統領選挙で勝つ時は、国外の敵の脅威、減税、保守派の価値観(銃、中絶禁止、同性愛忌避)の保守3点セットで求心力が保守派に働くことが大切な条件になる。
しかし今回はそうした情勢にない。ロムニーが価値観では保守と言うよりは中道に近いことも弱点になっている。国外に脅威になる敵もいない。保守派の求心力が固まる情勢ではないね。
追記:ロムニー、失言も目立つね↓
(←ホームページ、リニューワルしました(^^)v)
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