本日の日経新聞web版「年金、13年から減額、知っていますか」
引用:「2013年の10月から2015年の4月にかけて、年金の支給額が徐々に減るという法律が成立しているのです。厚生年金の標準世帯で試算すると、2015年の4月は2012年の年金水準と比較し、毎月5900円の減額になります。」
「今回の年金の減額は2012(平成24)年11月16日、民主党の野田政権(当時)が衆議院を解散する直前に、ギリギリで成立させた国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律』によって決定されたものです。」
しかし、この減額はこれから21世紀中葉にかけて不可避となる公的年金大幅減の序の口の序の口にすぎない。
たまたま同日の日経新聞朝刊「経済教室」で大和総研の武藤理事長が、次のような試算を示している。
引用:「大和総研が基礎的財政収支の均衡維持などを前提に試算したところ、高齢化比率が40%に達する2050年代に、高齢者向け社会保障の給付水準を現在と同じ水準に維持すると仮定すると、国民負担率(国民所得に占める税金と社会保障費の支払い負担の比率、注釈:竹中)は現在の40%から70%近くに上昇する。民間の活力を生かすには、これほどの高負担は適当ではないだろう(はっきり言って不可能、注釈:竹中)。
社会保障給付水準を現在より50%以上削減すれば、将来の国民負担率を40%台に抑制できるが、そこまで削減するのは高齢者福祉のあり方として容認しがたいだろう。30%の削減ならば、50年代の国民負担率は50%台半ばと試算される。(これは今の西欧諸国なみ、注釈:竹中)高齢者が受ける社会保障サービスの水準と勤労者の負担の割合のバランスをいかに均衡させるか、国民の納得を得る改革が必要である。」
同種の試算は他でもいくつも出ているが、みなほぼ同じ結果だ。現在の公的年金や医療制度を含む社会保障制度、つまり現役世代が引退世代の年金や医療費を負担する世代間賦課方式では、少子高齢化がますます進む中で制度の維持は不可能。
これはエコノミストや経済学者にとっては常識であり、年金や医療、財政問題を扱ったまともな書籍にはみな書いてあることだが、政治家はなかなかこの現実に正面から対処しようとしない。
民主党野田内閣も、「消費税を上げたら大丈夫」というような幻想だけばらまいたように思える。
間違いなく言えることは、これから起こる公的年金の減額で、引退して年金しかない高齢者と現役時代に資産形成ができた(従って資産所得もある)高齢者、あるいは60歳過ぎても所得能力のある高齢者の格差、つまり貧乏じいさんと金持ちじいさんの格差はますます拡大するだろう。
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