円相場、株、REITなど流動性の高いものが先行的に動き、流動性の低い現物不動産などの資産が遅れて動き出す。これは4月のロイターへの寄稿でも書いた点だが、やはりそうなるなとますます感じる。
本日の日経新聞記事:
「企業の不動産取引が活発になってきた。今年1~3月の土地や建物などの取得額は、2008年の金融危機前の水準を回復した。低金利で資金を調達しやすくなった企業が、事業拡大に備え物流拠点やオフィスなどの先行投資に動いている。設備投資などを通じ、景気回復を後押ししそうだ」
「1~3月期のREITによる物件取得は6387億円と前年同期の2.8倍に増え、6年半ぶりの規模に膨らんだ。2月に新規上場した日本プロロジスリート投資法人は千葉県市川市の物流施設など12件を計1700億円強で取得した。「2~3年で運用規模を3000億円にする」方針だ」
「「とるべきリスクをとって前向きに資金を供給していこう」。12日、三井住友銀行頭取の国部毅(59)は部長や支店長ら1000人にげきを飛ばした。三菱東京UFJ銀行頭取の平野信行(61)も「政権の脱デフレ路線に貢献したい」と表明。みずほフィナンシャルグループ社長の佐藤康博(61)も「リスクマネーを投じる」と成長事業に出資するファンドをつくった」
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これから起こることは、2003年の後半から07年にかけて起こったことと似た(すべて同じということはないが)コースになると思う。
特に銀行に関する最後の記事: 2006-07年の不動産ミニバブルの時に、不動産融資を膨らませ、2008年以降沢山の貸し倒れをつくってしまった(90年代の規模に比べるとミニ不良債権だが)銀行は、あつものに懲りてなますを吹いていた。 今再び同じサイクルで動き出す感じだね。
景気回復が持続すると言っても、結局大きな資金需要は企業買収か、不動産投資関連になる。そこへメガ・マネーが向かえば、最初は慎重にやっていても、だんだんと競争が高じて、結局「そこまでやりますか?!」のバブル融資になるだろう。 形は変われど、本質は変わらぬサイクルだな。
不動産市場の動向は、いろいろな情報があるが、たまたま本日飛び込んできた不動産研究所のサイトを紹介しておこうか。
住宅価格動向については以下のREINS Market Informationも良い。
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追記:5月1日日経新聞記事
「投資マネーも流入している。ドイツ証券の小夫孝一郎ディレクターは「不動産投資信託(REIT)や年金などの出資する私募不動産ファンドが安定した賃料収入を見込んで賃貸マンションを取得している」と話す。貸家は10.7%増の32万戸と、3年ぶりに持ち家を上回った」
きてますね・・・っていうか、最近の日経新聞、ちょっとアベノミクス効果を煽り気味?(^_^;)
追記:5月4日日経新聞記事
「東京のオフィス市況が回復している。新築を中心に賃料が上昇基調をたどっている。空室率も低下傾向にあり、一段の需要拡大が続きそうだ。設備や新しさ、立地などでオフィスビルの人気が分かれる傾向も強まっている」
新築ビルの賃料の変化は中古のそれに対して先行性があるようです。
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