あまり他人様の批判をする気はない。そんなことしてたらきりがないのでね。
しかし「これはひどい」と思ったので、ちょっとだけ書いておこうか。
 
経済ジャーナリスト、萩原博子と言う方のインタビュー記事「まだデフレなのに、なぜ投資に手を出すのか?」
 
生活支出を合理的に見直して、無駄をなくし、効率化しましょうという点では異論はない。
しかし以下のコメントは自らの経済・金融・投資音痴を露呈しているだけだろう。
 
引用:「(インタビューアの質問)貯金するばかりで運用しなければ、資産はあまり増えません。足もとではアベノミクスによるインフレ期待で、株式や不動産が値上がりしていますが、投資はしなくてもいいのでしょうか」
前回も言いましたが、まだデフレは続いており、インフレになる兆しは見えません。だから、インフレに強いと言われる株式や不動産に投資する必要もないのです」
 
まだデフレは続いているという認識は何を根拠に言っているのだろうか。消費者物価指数は前年比でプラス1%台、企業物価指数は前年比でプラス2%台である。
「今は一時デフレではないが、またデフレ戻る」というのなら、その予測が当たるかどうかはともかく、可能性としては成り立つ予想であるが、「まだデフレが続いている」というのはシュール過ぎる認識だ。
 
引用:「日銀がデフレ脱却宣言をし、世の中の景気が本格的に過熱してきて、「現金を減らさないとまずい」と思った頃に、初めて(家計は)インフレ対策をやればいい」
 
本気で・・・いや正気で言っているのだろうか。誰の目にもデフレの再来の可能性がなくなり、景気が本格的に過熱した頃には、株価も住宅も高騰し、そんな時に現金から実物資産へのシフトをしたら高値つかみするをだけだぞ。 
 
そういう局面では私はデフレ時に買ったマンションも株も売り抜くぞ。ああ、そうか、高値圏で買ってくれるこうしたカモネギ層がいるから、売り抜けることもできるんだ。
 
引用:「どうしてもと言うなら、自分で判断して個別の株式を買う。わけのわからないファンドマネジャーにお金を預けて運用してもらう投資信託は、非常に不透明です。特に長期投資を謳っている投信には、疑問があります。短期で結果を求められるファンドマネジャーが、まともに長期投資なんて考えられるでしょうか」
この点は同意できるよ。私も著作で強調している点だからね。
 
引用:「実は私、こう言いながらも個人的には株式投資をかなりやっているんです(笑)。でも、他人には一切勧めない。自分も大損して、そのリスクをよくわかっているから。投資用マンションを買ったこともあるし、REIT(上場不動産投信)も持っているし……。投資については、人に言う前にやってみる。実際にやってみないと、どうなのかは言えないじゃないですか。・・・・自分で実際にやってみて、「儲かる理論がない」ということがわかったので、人には絶対に勧めない。むしろ、やめなさいとアドバイスしています。」
 
マンション、どういう買い方をしたのか語っていないが、景気の局面も考慮せずに新築ワンルームマンションなどを買ったのかもしれない。それは多少でも経験を積んだ投資家が絶対にやってはいけないと言っていることだ。儲からないのは、ご自身があまりにも投資について無知、勉強していないからだろう。
自分の投資音痴ぶりを一般化しているだけだ。
 
まあ、「勉強する意思がない(あるいはできない)方々の生活防衛術」としては、こういうスタイルしかないのだろう。つまり節約、節約でひたすらキャッシュを蓄えるという手法だね。 そしていつの日か誰の目にも明らかにインフレになった時に慌てて、住宅や株を買い出すのだろう。
 
そうした方々がいるから将来高値圏で売り抜けるチャンスもあるということだ。
批判で始めたが、お礼を言うべきだと最後に考えが変わった。<(_ _)>
 
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