毎度のトムソン・ロイター社のコラムです。
ただ今(7月3日夕刻)掲載されました。
ただ今(7月3日夕刻)掲載されました。
少し前にYahooニュース(個人)に寄稿したGDPギャップと長短金利格差の相関関係に基づいた米国長期金利の読み解きが核ですが、データを年次から四半期ベースに換えて単回帰し直したら、説明度がぐっとアップしました。ドル円相場への含意なども書きくわえています。
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http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPKBN0F70C520140703?pageNumber=1&virtualBrandChannel=14228
引用:「米長期金利のこの低下をしきりと不思議がり、米国経済の長期的な衰退の兆候ではないかという議論がこの春以来、一部の市場関係者やエコノミストの間で繰り返されている。
しかし、私には不思議でもなんでもない。極めて自然なことで、むしろあのまま3%を越えてするすると長期金利が上昇したとすれば、そのほうがよっぽど特異なことと言うべきだろう。 その理由を説明しよう・・・」
「最後に来年までの予想をしておこう。すでに見た通り、CBOが推計した過去1年(13年第2四半期―14年第1四半期)のGDPギャップはマイナス4.3%だった。15年にこれがマイナス3.0%までマイナス幅が縮小したとすると、長短金利差は2.4%となる。
現時点で15年12月期日の先物が予想するフェデラルファンド(FF)金利は約0.7%だから(6月27日時点)、来年12月の10年物財務省証券利回りの現時点の推計値は3.1%となる(FFレートと3カ月物財務省証券の利回りがほぼ同じ想定)。やはりプラスマイナス0.6%の標準誤差の幅をもって考えると、15年の予想レンジは2.5%から3.7%となる。
ドル円相場への含意について考えれば、ドル長期金利の一段の上昇(10年物財務省証券利回りの3%越え)は年内には望み薄であり、それは15年になろう。一方、円についてはまだ長短金利ともに変化がないと想定すると、ドル円金利格差の拡大がドル高要因として働き始めるのは来年になる。
したがって、多くのストラテジストらが今年の相場として年初に予想した1ドル=110円近辺へのドル相場の上昇も来年に持ち越しとなる公算が高そうだ。足元ではドル円相場の膠(こう)着が続いているが、年内はむしろドルロング筋のポジション調整で一時的には100円割れの円高・ドル安に警戒しておくほうが良いかもしれない。」
追記:中国政府の米国債買い急増していた。WSJ記事7月16日
追記(8月4日):本日の日経新聞記事
「我慢の円安シナリオ」 米景気復調でようやく現実味:編集委員 清水功哉
記事引用:「「7~9月期も米国が3%超の成長経路をたどるなら、FRBが9月にもハト派的なトーンを修正する可能性が高まり、米金利の先高観を背景にドル・円相場は9~10月にも105円~110円に向かう」(田中泰輔ドイツ証券チーフ為替ストラテジスト)との声もある」
田中さんはいつも円安バイアスですからね。直感的にはこのまま9月~10月に105~110円にレンジシフトというのは、ちょっと早過ぎる感じがします。
まあ、短期の変動はどうなるかわかりませんがね。一応テイクノートしておきましょうか。
追記(8月11日):田中泰輔さんの論考(上記と同じ主旨)
引用:「7~9月期のGDP成長率が3%超になれば、米金利の先高観が強まり、ドル円の上昇再開につながるとみる。・・・・ドル円がひとたび105円を超えれば、視界は110円超へ広がるはずだ。」
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近著「稼ぐ経済学~黄金の波に乗る知の技法」(光文社)2013年5月20日
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