トムソン・ロイター社への4月の寄稿です。
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http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPKBN0N504C20150414?pageNumber=1&virtualBrandChannel=14348
一部引用:「失業率や新規雇用者数で見る米国の雇用情勢は着実に改善しているにもかかわらず、インフレ率が目標の2%未満の状態が続いている。 このことに米連邦準備理事会(FRB)が頭を悩ましている。これは日本にも共通する問題だ。米国で低インフレが続く原因とそのリスクを考えてみよう。」
「注目すべきは、「長過ぎる期間、金利を低過ぎる水準に維持すれば、投資家による不適切なリスクテイクを助長しかねず、金融市場の安定性を損なう可能性がある」とイエーレン議長が述べていることだ。つまり、資産バブルのリスクに言及しているのだ。
イエレン議長はそれ以上踏み込んでいないが、この点は今日の金融政策をめぐる厄介な問題に絡んでいる。というのは、インフレ率の安定と雇用の最大化を実現する金利水準と、資産バブルを抑制・回避するのに適正な金利水準が一致する保証はないということだ。
むしろ「雇用・インフレに望ましい金利水準が資産バブル抑制・回避に望ましい金利水準より低くなる」という乖(かい)離が生じる可能性が高い。これこそ過去四半世紀の様々な資産バブルの教訓ではないだろうか。
さらに言えば、米国の景気循環自体が、総需要と総供給のバランスを軸にした実体経済の循環的な変動(business cycle)から、信用の膨張と収縮を伴う資産価格の変動(credit cycle, market cycle)に性質を変えている可能性がある。
ドル高を伴った低インフレが長引く結果、金利の引き上げが延び延びになり、信用の膨張が再び株式か不動産などの資産価格のバブル的高騰を招く危険が、まだ将来のことではあるが、じわりと高まっていると思う
筆者は米国経済については長期的に強気の見方をしているが、それはリスクの不在を意味しない。イエレン議長がこの厄介な問題にどう対処するか、それが問われる局面が数年以内に到来する気がしてならない。」
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追記(2015年6月2日)WSJ記事、参照:
近著「稼ぐ経済学~黄金の波に乗る知の技法」(光文社)2013年5月20日
↑New!YouTube(ダイビング動画)(^^)v