「新興国通貨の対ドル下落はまだ序の口」
毎度のトムソン・ロイター社でのコラムです。ただ今掲載されました。
冒頭引用:「2014年下期以降、主要な新興国の通貨は米ドルに対して大幅に下落してきた。しかし、これはまだ下落の序曲かもしれない。その可能性は十分にある。
その場合、ドル超低金利時代にドル負債を膨張させ、自国通貨などに転換して投資していた新興国の企業や諸機関は一層の為替損失増加に追い込まれる。それが通貨・金融危機として激発的な形で実現するか、あるいはボディーブローのように新興国経済の足を引っ張るか、どちらのシナリオになるかはわからないが、大きなリスク要因として注目しておこう。
とりわけ、日本ではブラジルレアルやトルコリラの高金利につられて、こうした通貨の対ドル買い持高(ロングポジション)を組み込んだ投信などが、過去大量に個人向けに販売されてきた。こうした投信は基準価格の下落ですでに大幅な含み損を抱えているが、損失はまだ膨らむ公算が高いと思う・・・」
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ロイター社サイトでは図がひとつしか掲載できないのでドル相場指数(Broad)の名目と実質ベースのみ掲載だが、以下にMajorとBroadの双方を掲載しておきます。平均値からの直近時点の乖離がかなり違うのが見た目にもわかるでしょ。解説はロイター社のコラム本文をご参照。
近著「稼ぐ経済学~黄金の波に乗る知の技法」(光文社)2013年5月20日