今日はいろいろな出来事がありまして。
まずはハトポッポ首相の辞任
6月1日に首相は次のように語っていた。「鳩山由紀夫首相は1日朝、参院を中心に民主党内で退陣論が出ていることについて『代表・幹事長でしっかりと協議をして、協力してこの国難に立ち向かっていく。』」(日経新聞)
これを見て、思った。「おいおい、あなたご自身が国難しょうが・・・」
そして本日2日の辞任発表。
最後まで明日はどう振れるか分からない方だった。
でもひとつだけ、最後に良いことをしたと私には思える。
自分の辞任を小沢幹事長の辞任と抱き合わせにしたこと。
昨年12月28日に日経ビジネスオンラインに「もう鳩山首相を諦める?~友愛という名の優柔不断が日本を壊す」を書いて、短期の景気対策は必要だが、財源なきバラマキ政策はやめてくれ、長期的には消費税の引き上げを含めた財政再建のビジョンを描け、と主張した時には、反発コメント殺到し、アクセス件数もトップになってしまった。「悪役人気」というのだろうか。
とりわけ印象的なコメントは「首相が優柔不断などとの、発言を慎むことですね。それは天に向かって唾しているようなものです」と、お叱りまで受けた。ははは、不謹慎ですみませんが、笑った。
ようやく鳩山首相の評価に関する天の采配は決した。
でも、ご本人は「自分がしたことは10年、20年先を見据えてのこと、それが分かってもらえる時がくる」と言っているそうだが・・・・。
郵政法案は廃案へ?
今回の辞任の影響をうけた注目の問題が「郵政改革法案」の廃案の見通し?
「16日までの会期を延長しない方針のため、残りの審議日数を考えると、郵政改革法案の今国会での成立は困難な情勢となった。 民主党の平田健二参院国対委員長は2日の記者会見で、「日程が限られるため、(成立させる)法案を絞り込まなければならない」と強調。同党国対幹部は郵政法案について「参院選を控え、強行採決はできない」と述べ、野党の反対を踏まえ成立は困難との見通しを示した。今国会で成立しなければ審議未了で廃案となる。」(3日時事通信)
アンチ小泉改革の象徴として亀井大臣がこだわった本件、超少数政党が与党と連立を組むというポリティカル・レバレッジで不相応な政治力を行使する状況は、これを契機に止めて欲しい。
祝内定
これは私個人の職業上のこと。
昨年から大学で教鞭をとるようになったので、私のゼミ生はまだ3年生で、就活はまだ少し先だ。
しかし、今の4年生でひとり、昨年の暮れに私の講義が終わってから教壇のところにきて、どんと分厚い参考書を広げ、「私、来春公務員試験を受けようと思っているんですが、試験用の参考書の経済学の章が全然分からないんです。先生、私でも分かるようになんとかしてください!」と言った学生君がいた。
「いきなり、分かるようにしてくれと言ってもね・・・魔法はないんだから・・・きみ」と言うと、「先生の講義を聞いて、私でも分かりました。だから先生なら私でもミクロ経済論もマクロ経済論も、分かるように説明してくれるんじゃないかと思うんです。」
これにはけっこう衝撃を受けた。
「ぼく、どこが分からないか分かりません」という状態でホゲーとしている学生君が少なくない中で、「私でも分かるようにしてくれ!」と教師に迫ってくる学生は貴重だ。それでもって、結局、計10回ほどかけて参考書の経済学の章を個人指導した。
この学生君、その後就活はどうなっただろうかと思っていたが、今日偶然、大学近くでこの学生君に呼び止められた。ニコニコしながら、「公務員試験は結局その後諦めましたが、○○銀行に内定を得ました。先生に教わったことはペーパーテストでも役立ちました。ご連絡が遅れてすみませんでした!」と言う。中京地域の名のある地方銀行だ。
この就職難のなかである。「上出来、上出来、よくやった」と祝福した。
教師としては、ひとりでも多くの学生が学ぶことの価値に目覚め、社会で活躍する第一歩を無事に踏み出して欲しいと心底願っているんだけど、それが伝わる学生君は残念ながらそう多くはない。