毎度のトムソン・ロイター社のコラムです。本日掲載されました。
掲載図以外の参考図もひとつ加えておきます。
冒頭引用:「11月9日から始まった「トランプ相場」は、来年以降の米国景気の上振れ期待を背景に、長期金利高、ドル高、株高(特に金融銘柄の高騰)の3拍子で急速に進んでいる。大統領選挙前に支配的だった悲観予想を裏切り、このトランプ相場で現在一番順風を受けているのは日本の金融経済情勢だろう。
ドル高・円安への反転は、いったんピークアウトした日本の企業収益のリバウンド期待に火をつけたようだ。日本株の大規模な売り越しで動いていた海外投資家層はショートカバー的な買戻しに転じ、日経平均は1万9000円台を回復した。円高による物価下落効果も一転し円安・物価上昇に転換するだろう。
2014年4月の消費税率引き上げ後の消費の反動減は終わったはずなのに2015年から16年にかけても、実質雇用者報酬の増加にもかかわらず個人消費は低迷した。だが幸い雇用環境の改善が持続した結果、景気の腰折れには至らなかった。
そこにトランプ相場の波及による円安・株高が加わり、景況感は改善している。内閣府の景気ウォッチャー調査が示す家計動向、企業動向はともに今年6月に底値をつけ、直近では消費税率引き上げ前の水準に戻りつつある。こうした「トランプノミクスと日本経済の蜜月」とも言える状況を背景に、2017年初の株式相場は楽観的なトーンでスタートしそうだ。
しかしこの蜜月はどれほど持続するだろうか。また何がそれを終わらせるだろうか。この点では市場アナリストの見方は分かれている。筆者は最長で2~3年程度、早ければ1年前後で蜜月は終焉し、再度円高・株安に大きく振れるリスクが高いと思う。その理由を説明しよう・・・」
近著「稼ぐ経済学~黄金の波に乗る知の技法」(光文社)2013年5月20日