本日(10月2日)のNHKスペシャル「巨大津波 その時人はどう動いたか」をご覧になった方、多いでしょ。
人間の行動特性のバイアスに焦点をあてた点で、興味深かった。
地震発生から大津波の到来まで1時間以上の時間があったにもかかわらず、多くの人が避難を遅れ、津波で死んだ。なぜ、彼らはすぐに避難しなかったのか?同地域では津波を想定した避難訓練も過去繰り返されていたのに。
そうした避難遅延を起こした3つのバイアス、ないしは特性が指摘されていた。
正常性バイアス:異常事態(大地震)が起こり、その後の危険(津波)の予兆があっても、人間の危機感スイッチはすぐにはオンにならず、根拠なく、「正常だ、大丈夫」と思い込むバイアス、結局危機を目のあたり(巨大津波の襲来)にするまで危機回避行動がとれない人々が少なくない。
同調バイアス:大勢の人たちと一緒にいると大丈夫だと思うバイアス、公民館とそのグラウンドに集まった人々(公民館は津波にのまれた)は、「津波は10メートル以上」というラジオの地震放送に耳を傾けることもなく、「一緒にいればなんとなく安心」の心理で逃げ遅れた。
愛他行動:津波の到来が予想される地域で、ぼんやりと居残っている高齢者達を助けようと時間を費やし、逃げ遅れた人々も少なくない。
なるほどね。大変に興味深く、参考になった。バブルとその崩壊にも正常性バイアスや同調バイアスは見られるね。もちろん、こうしたバイアスには個人差がかなりあるように思える。
ちなみに自分自身を分析すると、私は「正常性バイアス」は人並み、「同調バイアス」は低い(人と同じことをするのは好きじゃない)、「愛他行動」は選択的(子供と動物には強く感じるが、老人に対しては感じない)。
みなさんもこの3点で自己分析すると自分の行動特性への理解が深まるのではないでしょうか。危機に直面した時に、自分のバイアスを客観視できれば生き残る可能性も上がるだろう。