たけなかまさはるブログ

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タグ:大学

大学の「就業力」トップ10に龍谷大学!
本日の日本経済新聞記事

「就業力」って何?→就職後に仕事環境に適応して成長する能力、一種の潜在力のようだ。
早大も慶応も飛び越えて、龍谷大学が関西大学唯一のトップ10入り(゜o゜)

ホント!?って・・・・その大学に勤めているセンセーが驚いたらいかんのかもしれませんが(^_^;)・・・・それとも龍大学生諸君、君たちってもしかしたら、ほんとは凄いの?

以下記事

「就業力」育て 総合ランキング上位は
東京外語大、授業に高い満足度 横浜国大、学年垣根越え交流

2013/6/17付 ニュースソース
日本経済新聞 朝刊
 就職・転職支援の日経HRは大学生を対象に学業や課外活動など4分野から成る「学生生活充実度調査」を実施した。学生時代に身につけた主体性や協調性は、社会人に必要な能力として企業が注目する。調査結果から就職後に成長する能力などを指す「就業力」を育てる大学をランキングにした。就職面の強さを重視して大学を選ぶ受験生の参考になりそうだ。
 
 総合首位に立ったのは東京外国語大学。授業に関して88%が「面白い」「理解している」と回答するなど、学業分野の評価が高い。ある学生は「目標がある人には何でも学べる入り口が開かれている」と指摘した。交友関係分野では100%が「学内に2人以上の友人がいる」「学外に年齢の異なる友人がいる」と答えた。海外からの留学生が多く、国際色豊かなキャンパスライフがうかがえる。
 
 2位には横浜国立大学がつけた。交友関係分野で100%が「先輩・後輩との付き合いがある」、94%が「学生生活は楽しい」と回答した。主要な施設が横浜市のキャンパスに集中しており、研究分野や学年の垣根を越えて交流できる環境が整っている。
 3位の一橋大学は回答者の全員が研究室に参加しており、「ゼミの一橋」の面目躍如となった。商学部の学生は「小規模なので教授の目が行き届いている」と評価する。大学の就職支援について91%が「役立つ」と回答。学園祭や合宿の参加経験が100%となるなど、課外活動も活発だ。
 
・・・途中省略・・・
 
 10位は関西勢で唯一ベスト10入りした龍谷大学。「学内に2人以上の友人がいる」が100%、「先輩・後輩との付き合いがある」が95%と交友が盛んだ。
 
 総合ランキングで10位に入らなかったものの、分野別で上位につけた大学もある。総合で59位だった同志社女子大学は学業分野では3位に入った。現代社会学部の学生は「幅広く教養科目の知識を身につけられる」と回答した。
 
 大学の就職支援などを聞いた就業観分野では、山口大学が首位。地域に根差した就職支援組織が充実している。2位には女性のキャリア教育に定評がある跡見学園女子大学が入った。3位の金城学院大学はインターンシップを経験した学生が56%と多かった。
 
 課外活動分野では岡山大学が3位。ボランティア活動に参加経験がある学生は67%おり、全大学でトップだった。交友関係分野は弘前大学が4位。学生からは「比較的小さな規模なので顔見知りが多い」といった声が上がる。
 
 ▼就業力 文部科学省が2010年度に「大学生の就業力育成支援事業」の中で使い始めた。「学生が卒業後に自らの資質を向上させ、社会的・職業的自立を図るために必要な能力」などと位置付けられている。
 調査概要: 日経HRが2012年11月19日から、同社で企画・管理する就職情報サイト「日経就職ナビ2014」の登録会員(大学3年、院1年)にインターネットで実施。13年4月30日までに回収した。有効回答数は470大学・4463人(4年制大学のみ)。
 ランキングスコアの算出方法: 「学業」「課外活動」「交友関係」「就業観」の4分野で構成するアンケートを実施。各分野の質問に対する肯定的な回答を大学ごとに集計・得点化するなどしてランキング化した。
 ランキング対象: 回答者数が15人以上あった77大学のうち上位65大学までの総合ランキングを作成。17日発売のムック「親と子のかしこい大学選び」(日経HR)では、65大学全体の総合ランキングや調査結果の詳細などをまとめています。
 
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http://bylines.news.yahoo.co.jp/takenakamasaharu/  Yahooニュース個人
 

さて、妙に反響というか、コメントが多かったこの問題を再考してみよう。
まず海老原嗣生の四大卒も中小企業を目指せばよい」の語っている事実認識を確認しておこう。
 
海老原氏は主要には2つのことを言っている。
1、 「日本の企業は終身雇用制を採っていて、正社員を解雇することができない。こうして老人たちの既得権益が守られているために、かわいそうな若者たちは職を得られない、あるいは非正規労働者になることを余儀なくされている。この話はでたらめだ。」
2、「今の大卒者が就職難に陥っている問題の真の肝は、増え過ぎた大卒者が中小企業の求人とミスマッチを起こしていることなのだ。」
 
まず2のミスマッチについては、否定しようのない事実である。
「従業員1000人以上の大手企業における大卒求人倍率は、この一五年間、〇・五倍から〇・八倍の間を行き来している年がほとんどだ。一方で、従業員1000人未満の企業に目を向けてみると、このご時世でも、新卒求人倍率は二・一六倍という高倍率なのだ(リクルートワークス調べ)。300人以下の企業に限れば実に四・四一倍」
 
ある産業では労働者不足で求人倍率が1を大きく超えており、別の産業では相対的に労働者余剰で求人倍率が1を大きく下回っており、結果として職に就けない労働者が多数発生している状態を、エコノミストや経済学者は「雇用の供給と需要のミスマッチ」と呼んでいる。
 
従って、大卒者がより多く中小企業に職を求め、実際に職を得るようになれば、ミスマッチはその分解消され、職に就けない大卒者の数は減る。もちろん、大卒者もどんな中小企業でも良いとは思わないだろうし、中小企業の方だって大卒者でありさえすれば誰でもいいわけではないから、ミスマッチが完全に埋まることはことはないだろうが、緩和する分だけ、職に就けない大卒者は減ることは議論の余地がない。
 
海老原氏は景気変動による雇用の需給関係の変化を否定しているわけではない。もっと具体的に言うと、2008年から景気後退した結果、大卒者の就職がそれ以前より厳しくなったことを否定しているわけではない。ミスマッチが解消すれば、その分、今のような不景気下でも職にあぶれる大卒者は減るという事実を指摘しているのである。
 
従って以下のコメントは、海老原氏が主張していない内容にまで拡張するすることで、批判するという議論の「お作法違反」であると思う。
「景気の急激な悪化が顕在化する08年までは、新卒の就職率は実質でも大幅に改善していた。これは明らかに03年からの景況の回復と一致。いわゆる就職先が見つからず断念する求職意欲喪失者も激減してたはず。なぜその事実を忘れる?」
もっとも、私は海老原氏の論考は他には読んでいないので、「他の論考ではダイレクトにそういう主張をしている」ということであれば、その論考を引用して批判するのがお作法であろう。
 
また、次のコメントはいかがか? 
「この論考に問題があるとすれば、それは、海老原氏自身は大卒時に中小企業ではなくリコー、リクルートを目指したという点でしょうね。また、海老原氏は実際に中小企業の代表取締役を勤めていて、優良な中小企業の存在を指摘することはできますが、恐らく、自分の企業で「ただの」4大卒の学生を雇うことはしないでしょう。そこは「大学の中の」大学卒の学生を雇うと思います。以上の2点から、彼の論考には説得力がないと僕は思います。」
 
「ボクは海老原なんてやつは嫌いだ。自分は大企業に就職しておきながら、ボクらには中小企業に行けばいいなんて、ずるいぞ。だから信用していないぞ」という趣旨ならば分かるが、それでは議論にならない。海老原氏がどういう企業に就職したか、自分が経営する企業でどういう大卒者を採用しているかどうかは、議論とは関係がない。
 
もし中小企業に就職した今の大人しか、学生諸君に「大企業が難しいなら、中小企業にアプローチしなさい」と言う資格がないなら、私も自分のゼミの学生諸君にそういうアドバイスをする資格はないことになってしまう。
 
また中小企業の経営者がどういう学生諸君を採用するかは彼らの自由で、ニーズや価値観により様々であり、様々であることがよろしいと思う。
 
さらに、「海老原氏は実際に中小企業の代表取締役を勤めていて、優良な中小企業の存在を指摘することはできます」ということであり、海老原氏がその情報の提供によって儲けているならば、彼は社会のまっとうなニーズに応えることによって収益を上げていると言うべきであり、別のコメントにあるような「利益丸出しの議論」と非難される筋合いではないと思う。
 
さて、次に1の事実認識は妥当だろうか? 私は妥当ではないと思う。議論を挑発的にするために言ったのだろうが、勇み足だろう。
この分野は経済学では「労働経済」と呼ばれる分野であり、もちろん私の専門ではないので、この分野では日本の第一人者である大竹文雄教授の認識をご紹介しておこう。最近出た「競争と公平感」(中公新書)の3章で、日本はやはり正規社員の解雇権が非常に厳しく制限されている結果、企業は不況でも正規社員の雇用を落とせないので、そのしわ寄せが非正規社員の「雇用切り」となって現れているのだと指摘している。
 
企業経営者の立場に立てば、年配の既存正規社員で年俸は高いが、能力、生産性は低く、できれば解雇したい労働者は少なからずいるのだ。そうした従業員は大企業ほど多いとも言える。不況の時にはこういう従業員ほど解雇したいのだが、それができないので、雇用の調整は自然退職と新卒者の採用の抑制に依らざるをえないのだ。
 
こんなことはビジネス界に身を置いていれば体験的に分かる常識的な事実だと思うが、私が想像するに海老原氏は自分の主張を挑発的な形にしようと思って、ちょっと勇み足してしまったのかもしれないと思う。
 
最後に、中堅、中小企業でもきちんとした会社は様々にある。
大手銀行に採用されたって、支店での法人、個人相手の営業職などが一番多い職種だろう。 対法人営業ならば、相手は地元の中堅、中小企業の財務部(経理部)のスタッフや、課長さん、部長さんであろう。こうした方々を「お客様」にして他行との競争にひいひい言いながら、営業するというのは簡単ではないぞ(私も昔やったからね)。
 
むしろ、お客さんサイドの中堅、中小企業の財務の課長さん、部長さんになってしまった方が、よほど面白い、などど、たまたまご縁があって知り合った神戸の中堅企業の財務部長さんと先日歓談した。
「そういうこと学生諸君に分かってもらうにはどうしたら良いんでしょうね」とも話した。この方も、昔は準大手の証券会社勤務だったそうだが、転職して今の方がずっと面白いそうだ。 
 
もちろん、中小企業だって人は選ぶ。私が教えている学生諸君の中にも、残念ながら控えめに見ても10人にひとりぐらいは次のように言ってあげたい学生君がいる。
「もし私が中小企業の経営者だったら、どんなに人手不足でも、今の君を正社員で雇うことはしないと思うよ」
若い方々、どうか自分磨きに励んで頂きたい。

中央公論掲載、海老原嗣生の「4大卒は中小企業を目指せばいい」を読んだ。
以下のサイトで読める。
 
論考の内容を要約すると、大就職難に苦しむ今の大学生の就職活動が問題になっているが、それは大卒の人材供給が過去30年間で大幅に増えた一方、就活をする学生の大半が知名度の高い大手企業ばかりに殺到する結果である。中小企業では大卒人材の需要は圧倒的に需要超過・供給不足に傾斜している。つまりは人材の需要と供給のミスマッチが原因である。
 
これは正しい。というか、学生の就職活動の支援に係っている方々には、ほとんど常識の範囲だ。私も講義やゼミで繰り返し、学生諸君に語っている。「大企業へのエントリーには挑戦しなさい。しかし採用される人数は少ない。中小企業にも良い企業が沢山ある。キャリア開発部の紹介や企業説明会でそういう先を見つけて、アプローチしなさい。」
 
ところが、学生諸君にこの常識がなかなか共有されない。あるいは「そんなこと言われても、やはり知名度のある大企業にいきたい・・・」という衝動に支配されている学生諸君が多いということだ。 
 
中堅中小企業の定義にもよるが、就業者の7割以上は中小企業に勤めている。一方、今日大卒者はその年の人口の半分を超えるわけだから、「中小企業に行きなさい」は必然的な事情である。
 
海老原氏はそうした学生諸君に次のような価値のあるデータを提供している。
中小企業はどこも働くに値しないと考えるのは、中小企業に失礼だということ。確かに平均値で見ると、売上高などの経営数字にしても、給与水準などの従業員待遇にしても、すべての数値で中小企業は大企業より劣っている。
 しかし、平均値ではなくて上位企業を見るとどうなるか。実は、営業利益率10%以上の企業比率は、従業員数1000人以上の大企業よりも、中小企業のほうが1・5倍も高い。20%以上だと、中小が大企業の3倍となる。つまり、中小企業のすべてが悪いわけではないのだ。
 将来性の面から見ても、仕事のやりがいという面から見ても、優良企業はたくさんある。中小企業の数は170万社にものぼるので、仮に一割が優良企業だったとしても、17万社。大変な数だ。」
 
それから教育論についても共感できる指摘をしているので、以下に引用しておこう。大学で何を学ぶべきかについて以下のように語っている。
 
もう一つは、物事を考える能力を学ぶことだたとえば、一つの命題が正しいのかどうかを判断するためにはどのような事例を集めればいいのか、どのような角度から検証すればいいのか、といったことを勉強する。 こうした「本当の意味で物を考える力」は社会に出ても使える。営業するにも、企画を考えるにも、必要なデータを集めてきて、それを読み取り、相手の理解度を予測した上でわかりやすく説明するといった力は必要である。・・・・中略・・・・・社会に出れば、科目ごとにテストがあるわけではない。自分の知識を垣根なくフル動員して、目の前の問題に立ち向かうことが求められる。こうした練習こそ大学でなされるべきだろう。」
その通りだ。120%同感だ。 でも氏が指摘する通り、学生諸君が本当に自分の頭で考える授業は難しい。上手にそれを指導できる教員は少ない。私は教師との巡り合わせが幸運だったのかもしれないが、小中高と考えさせる指導をする先生方に出会った。その点、大学の先生はむしろ素っ気ない方々だった。大学の先生方は「もう大学生なんだから、考えるか考えないかは君達次第だよ」と考えていたのだろう。
だから、私が学生諸君にどうすれば考えさせる指導になるかを思案するとき、繰り返し想起するのは小中高校の先生方の記憶である。

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